デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下、DAC)とAcompanyは、デジタルマーケティング領域における、「秘密計算」(データを暗号化したまま計算できる技術)を用いたプライバシー保護データ分析の実証実験を実施した。
結果、パーソナルデータを秘匿したまま統合分析を行うことが可能で、プライバシー保護に有益なことが明らかになった。また併せて、データ分析の精度や速度が実⽤レベルであるとの結果を得た。
今後両社は、秘密計算を用いたマーケティングデータ分析の手法確立に取り組む。
実証実験の詳細は以下の通り。
DACの顧客企業が保有するデータとDACのDMP「AudienceOne」のマーケティングデータに対して、Acompanyの秘密計算ソフトウェア「QuickMPC」を⽤いて暗号化された状態で『データ分析が可能か』、また『従来手法の分析結果と比較し、有効であるか否か』を検証した。さらに、暗号化された状態でのデータ分析結果が実⽤レベルにあるかについても検証を行った。
検証方法
- クラウドサーバーに秘密計算環境を構築。
- 分析対象のデータセットを、次の通り準備。
- 秘密計算環境下で、コンバージョン値と属性・アンケート結果の相関値を計算。対照実験として、通常のローデータによる計算と比較。
検証結果
・暗号化された状態でマーケティング分析が可能であることが確認できた。
・データの暗号化から分析完了までの処理にかかる時間が数分であることが確認できた。
・本実証実験での平均絶対誤差は、下記の表のとおり0.001未満であり、実務レベルにおいても有用であることが証明された(一般的に、相関係数の性質として、絶対誤差が0.001未満であれば実用上問題がないとされている)。
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