ナレッジパネル表示の法則
ナレッジパネルも強調スニペット同様、すべての検索結果で表示されるわけではありません。検索への回答が「○○は○○である」といった具合に、単一の事実で表せる場合や、掛け合わせではなく単体のキーワードで検索される時に表示される傾向にあります。
よって、「地名、人名、会社名単体キーワード」「東京タワーのような有名な建築物」といったキーワードで検索するとナレッジパネルを見かけることが多いはずです。
他にもWikipediaにページがある場合や、本を執筆している場合はナレッジパネルとして表示されることが多くなります。ただ原則として、ナレッジグラフにデータとしてない場合はナレッジパネルとしては表示されません。
ナレッジパネルが与える影響
上記で紹介したようにナレッジパネルは検索結果上部にかなりの面積で表示されます。
2020年8月にドイツのSEOに関する有益なデータやツールを提供するSISTRIX社が出したデータによると、モバイル検索において平均的な検索結果1位のページが28.5%クリックされるところ、ナレッジパネルが表示された場合、クリック率が16.8%になったそうです(参考)。
このデータは、ユーザーが以下の2点の可能性が高いことを示しています。
・ナレッジパネルが表示されるとページをクリックしなくても情報を得て満足できた
・満足もしくは新たな興味が湧いた結果、関連した別のキーワードで検索を行っている
そのため、ナレッジパネルが表示されているキーワードのクリック獲得を目的に、SEO対策を行うことはあまり推奨できません。平均よりもクリック率が低くなることが多く、想定通りのセッション数を獲得できないことが多いからです。
そこでオススメしたいのは、ナレッジパネルを見たユーザーが次に何を検索するかを考えることです。ナレッジパネルは多くの情報を提供しますが、それだけではユーザーの興味、関心を満たすことができない場合もあり、ユーザーの検索もそこで終わらない可能性があるからです。
たとえば前述のハワイであれば、ナレッジパネルを元にハワイの気候をなんとなく理解したユーザーが、「ハワイ ベストシーズン」「ハワイ 8月」などと検索を深めることが考えられます。他にも、ナレッジパネル内のナビゲーションをもとに、「ラーメン」から「ラーメン レシピ」などと検索が変わる場合も考えられます。
ナレッジパネルの実装法と向き合い方
ナレッジパネルは我々ユーザーによって新たに追加することはできません。しかしナレッジパネルに表示される対象が自分、もしくは自分の所属する会社などの場合は、Googleの認証を受けることで管理できるようになります。
また直接変更はできないものの、ナレッジパネルに表示されている内容に対し、フィードバックを送ることができます。
ナレッジパネルはユーザーが検索したものの、クリックせずにその検索結果を離れてしまうゼロクリック検索の最たるものとして考えられることもあります。
しかし私はナレッジパネルが表示されるような単体キーワードでの検索では多くの場合、ユーザーの検索意図も定まりきっていないのではないかと考えています。ナレッジパネルの情報をもとに、自分の中での興味関心を明確にし、別のキーワードで検索を続けるケースが多いのではないでしょうか。
もちろんナレッジパネルが表示されるようなキーワードは、検索ボリュームも多く、魅力的なキーワードに見えますが、そうしたキーワードで上位に表示させるのは至難の業です。また、上位に表示したとしても、クリック率が平均より低いのであれば、費用対効果は高くないでしょう。
そのため、ターゲットにしようと考えていたキーワードにナレッジパネルが表示されていた場合、「ナレッジパネルを見たユーザーが次に何を検索するのか」ということを考えてみるのはいかがでしょうか?
ユーザーが「どういった流れ」で情報を知っていくのかにも注目し、コンテンツ作成に役立ててください。
