食需要の変化にマーケターはどう対応する?
――では、この調査結果を踏まえ、食に関わるマーケターはどのような対応が求められると思いますか。
いかにユーザードリブンで、多様化したニーズに応えた発信を行えるかだと思います。そのために重要なことは、やはりデータの分析とユーザーボイスを見逃さないことです。

我々もレシピに関する定量的なデータを通じて行動や背景を理解しようと試みますが、やはり「なぜこのレシピが人気なのだろう?」と思うことが多々あります。
そうなったときに、SNSの投稿やたべれぽ(「クラシル」内でユーザーが投稿する、作った料理に関する感想コンテンツ)コメントはもちろん、アンケートを通じて、定性的なユーザーの生の声や、“今”のトレンドやニーズをキャッチアップするようにしています。
ほとんどの商品には「ターゲット」と「推奨する使い方」がすでに定めされているかと思いますが、第三者視点から新しい切り口が見つかることもあると思いますし、トレンドは日々変化しているので、ユーザーニーズを定性・定量の両面で見ていくことが、これからはより求められると思います。
レシピ以外の価値を創出する
――最後に今後の展望を教えてください。
まず、広告主様に対しては「食のマーケティングパートナー」として、今後もデータとユーザーの皆様の声を最大限に活用したご提案を行っていきたいと思っております。
特にデータに関しては、個人情報にあたる各種ユーザーデータの取得規制によりターゲティングが困難になる状況が予想されます。広告主様の商品やサービスのターゲットとなるユーザーの趣味趣向や興味関心に適したコンテンツ(広告)を届けるためにも、メディアという立ち位置をメリットにファーストパーティーデータを構築して広告主様のマーケティング活動の支援に尽力していきたいですね。
また、「クラシル」ユーザーの皆様に対しては、今まで以上に「クラシル」を楽しんで使っていただけるよう、レシピだけではない新しい価値をご提供していきます。チラシ機能や献立機能、ネットスーパーとの連携、ミシュランシェフの名店レシピをコンテンツにした長尺動画などもその取り組みの1つです。
新しいレシピや食材に出会うワクワク、料理を学ぶおもしろさ、食卓を囲む楽しさなど心を満たす体験を1人でも多くの人に届けるために、クラシルは進化し続けます。