コネクテッドテレビの広告市場規模は年々増加
近年、テレビ端末をインターネットに接続した「コネクテッドテレビ」でのコンテンツ視聴が大幅に増えている。2020年10月23日に電通が発表したレポートによると、2020年6月にはテレビのネット接続率が半数を超え、動画配信サービスの視聴デバイスとしてテレビはスマートフォンに次ぎ3位を占めている(出典元:ウェブ電通報『「テレビのネット接続率」が50%を超えた!その意味は?』)。
TVerの視聴方法をデバイス別に見ても、2021年調査ではテレビデバイスのユニークブラウザ数が昨対比4倍を記録するなど、利用者の伸びは顕著だ(出典元:TVer自社データ)。
またSMNが行った調査によると、コネクテッドテレビの広告市場規模は年々増加すると予測されており、マーケティング活動においてコネクテッドテレビが重要なデバイスの1つであることを示唆している。
TVerでは、「TVer広告プラットフォーム」として2つのメニューを用意。DSPパートナー向けメニューの「TVerPMP」に加え、2020年11月よりテストセールスを開始した「TVer広告」は、TVer独自の配信ロジックに基づいた運用型広告メニューとして提供されている。同メニューは提供開始から4か月で139の企業と232件のキャンペーンを配信し、食品や自動車など全19業種の広告主から利用されている。
TVer広告は2021年4月以降にいくつかのアップデートを実施。「ドラマ」「バラエティ」などの番組ジャンルを指定した配信が可能となったほか、それまでは広告のフォーマットとして配信可能な秒数が決まっていたところを、任意の秒数で配信できるようになった。今後は出稿枠においても、「恋愛ドラマ」や「グルメバラエティ」といった番組ジャンルを軸にした絞り込みなど、より細かく指定できるよう開発を進めている。
広告主のコネクテッドテレビに対する関心が高まっている
これらの市場概況をふまえ、「コネクテッドテレビでメディア視聴行動はどう変わるか/マーケティング活動で重要になることは何か」という議題からトークセッションが始まった。
ADKマーケティング・ソリューションズでマスメディア由来のデジタルメディアセールスを担当する大川氏は、クライアントと接する中で「コネクテッドテレビに関する問い合わせや相談は増えており、関心の高まりを感じている」と話した。
「それまで地上波にCMを出稿してきた広告主が、『コネクテッドテレビの視聴経路も押さえておかないと』と思い始めているようです。プラットフォーマーから配信されるコンテンツの増加にともない、コネクテッドテレビの広告在庫が増えている点を我々もポジティブに感じています。視聴のされ方はターゲットによって変わってくるので、代理店や媒体社は各ターゲットの視聴経路をうまく捉えていく必要があるのではないでしょうか」(大川氏)