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イベントレポート

大手広告会社3社が語る、コネクテッドテレビの広告運用ポイント【TVerBizConference】


 インターネットに接続されたテレビ端末でコンテンツを楽しむユーザーが増えている。サブスクリプション型コンテンツ配信プラットフォーマーの台頭なども追い風となり、コネクテッドテレビの利用率は今後もさらに伸びていく予測だ。2021年6月9日(水)、民放テレビ局の番組キャッチアップサービスとして知られるTVerが開催した「TVer Biz Conference 2021」では、コネクテッドテレビをテーマに電通、博報堂DYメディアパートナーズ、ADKマーケティング・ソリューションズら3社が議論するトークセッションが行われた。本稿ではその内容を中心に、同イベントの様子をお届けする。

コネクテッドテレビの広告市場規模は年々増加

 近年、テレビ端末をインターネットに接続した「コネクテッドテレビ」でのコンテンツ視聴が大幅に増えている。2020年10月23日に電通が発表したレポートによると、2020年6月にはテレビのネット接続率が半数を超え、動画配信サービスの視聴デバイスとしてテレビはスマートフォンに次ぎ3位を占めている(出典元:ウェブ電通報『「テレビのネット接続率」が50%を超えた!その意味は?』)。

 TVerの視聴方法をデバイス別に見ても、2021年調査ではテレビデバイスのユニークブラウザ数が昨対比4倍を記録するなど、利用者の伸びは顕著だ(出典元:TVer自社データ)。

 またSMNが行った調査によると、コネクテッドテレビの広告市場規模は年々増加すると予測されており、マーケティング活動においてコネクテッドテレビが重要なデバイスの1つであることを示唆している

【クリック/タップで拡大】(左)テレビのネット接続率と、動画配信サービスの視聴デバイスの調査結果を2019年12月と2020年6月で比較したもの(出典元:電通報)(右)国内のコネクテッドテレビ市場規模を予測したグラフ(出典元:SMN/デジタルインファクト)
【クリック/タップで拡大】
(左)テレビのネット接続率と、動画配信サービスの視聴デバイスに関する調査結果を
2019年12月と2020年6月で比較したもの
(出典元:ウェブ電通報『「テレビのネット接続率」が50%を超えた!その意味は?』)
(右)国内のコネクテッドテレビ市場規模を予測したグラフ
(出典元:SMN「SMN、国内コネクテッドテレビ広告市場調査を実施~2020年の市場規模は102億円の見通し、2024年には、558億円規模と予測~」)

 TVerでは、「TVer広告プラットフォーム」として2つのメニューを用意。DSPパートナー向けメニューの「TVerPMP」に加え、2020年11月よりテストセールスを開始した「TVer広告」は、TVer独自の配信ロジックに基づいた運用型広告メニューとして提供されている。同メニューは提供開始から4か月で139の企業と232件のキャンペーンを配信し、食品や自動車など全19業種の広告主から利用されている。

  TVer広告は2021年4月以降にいくつかのアップデートを実施。「ドラマ」「バラエティ」などの番組ジャンルを指定した配信が可能となったほか、それまでは広告のフォーマットとして配信可能な秒数が決まっていたところを、任意の秒数で配信できるようになった。今後は出稿枠においても、「恋愛ドラマ」や「グルメバラエティ」といった番組ジャンルを軸にした絞り込みなど、より細かく指定できるよう開発を進めている。

広告主のコネクテッドテレビに対する関心が高まっている

 これらの市場概況をふまえ、「コネクテッドテレビでメディア視聴行動はどう変わるか/マーケティング活動で重要になることは何か」という議題からトークセッションが始まった。

 ADKマーケティング・ソリューションズでマスメディア由来のデジタルメディアセールスを担当する大川氏は、クライアントと接する中で「コネクテッドテレビに関する問い合わせや相談は増えており、関心の高まりを感じている」と話した。

ADKマーケティング・ソリューションズ メディアビジネスセンター メディアビジネス推進本部 メディアビジネスアドバンス局 局長 大川英明氏
ADKマーケティング・ソリューションズ
メディアビジネスセンター メディアビジネス推進本部 メディアビジネスアドバンス局 局長 大川英明氏

 「それまで地上波にCMを出稿してきた広告主が、『コネクテッドテレビの視聴経路も押さえておかないと』と思い始めているようです。プラットフォーマーから配信されるコンテンツの増加にともない、コネクテッドテレビの広告在庫が増えている点を我々もポジティブに感じています。視聴のされ方はターゲットによって変わってくるので、代理店や媒体社は各ターゲットの視聴経路をうまく捉えていく必要があるのではないでしょうか」(大川氏)

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/15 11:29 https://markezine.jp/article/detail/36633

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