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イベントレポート

大手広告会社3社が語る、コネクテッドテレビの広告運用ポイント【TVerBizConference】


広告運用ポイントは「メジャメント」と「体験設計」

 広告主からの注目度が高まるコネクテッドテレビの広告配信だが、出稿のポイントや注意点はどこにあるのだろうか。大島氏は「メジャメント」と「体験設計」の2つを要点として挙げた。

 「コネクテッドテレビの広告について、単に『見られた/見られていない』だけでなく、『デバイスをまたいで見た人がいるのか』『態度変容を促す役割を担わせるのか』など、メジャメントの方法を気にするべきだと考えています。また、コンテンツを主体的に選んで視聴する消費者が多いコネクテッドテレビにおいて、広告を見るという体験がネガティブなものにならないよう配慮することも大事です。広告主の商品やサービスの訴求が消費者に心地よく受け止められるような、広告との出会い方を含めた『ユーザー体験の設計』を意識しなくてはなりません」(大島氏)

 梅本氏も「ユーザー体験が最重要ポイント」と発言。広告のローミング時間さえもユーザーの離脱原因となる中、「なぜこの広告が自分に表示されるのか」という引っかかりを与えることなく広告主のメッセージを届けることが、コネクテッドテレビはもちろん、その他のデジタル広告やリアル店舗などにおいても重要だと語った。

 現在、TVerでは「PCブラウザ」「スマートフォンアプリ」「コネクテッドテレビ」を横断したクロスデバイスでの広告ターゲティングおよびレポーティングの開発を進めている。また、ユーザーデータのリッチ化を図ることで、ファーストパーティーデータを利用したターゲティング精度の向上にも取り組んでいくという。

コンテンツに求められる質とバリエーション

 近年はサブスクリプション型のコンテンツ配信サービスが盛り上がりを見せるほか、各テレビ局で配信限定コンテンツが制作されるなど、コネクテッドテレビ上のコンテンツ拡充が進んでいる。プラットフォーマーに求められていること、ひいてはマーケターがプラットフォームを選定する基準とはなんだろうか。

 ユーザー体験の向上を図る上で、「コンテンツを提供するプラットフォーマーには“コンテンツの質とバリエーション”が求められる」と大島氏は述べる。人を動かす強烈なコンテンツがあればこそ、そこに集まるユーザーへのマーケティング活動、コミュニケーションが行えるという考えだ。

 一方で大島氏は、一般ユーザーや企業が入り込む余地のない「不可侵なコンテンツ」のみの提供では、結果的にサブスクサービスに似通っていく懸念もあると指摘。一般ユーザーが投稿できる動画サービスが台頭し、広告の出稿先としてもマーケターの注目を集める中、「コネクテッドテレビにおいても、一般ユーザーの制作したコンテンツや、広告主と一緒に作るブランデッドコンテンツを受け入れるような、自由度のあるオープンなプラットフォームが求められていくのでは」と見解を示した。

 大川氏も、「コンテンツの数を闇雲に増やす必要はないが、『地上波の番組が全て見られる』というメッセージが消費者にとって最もわかりやすい」と述べた上で、「ライブ配信のアーカイブやショートフォーマットのコンテンツなど、時流に合わせた発信にプラットフォーマーと放送局で取り組んでほしい」と、コネクテッドテレビのコンテンツ充実に期待を寄せた。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/15 11:29 https://markezine.jp/article/detail/36633

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