若い世代の検索プラットフォームはSNSへ
知らないことや気になることがあるとき、Googleなどの検索サービスを使うスタイル(いわゆる「ググる」)が定着して久しいですが、もはや若い世代では「SNSで検索する」のが当たり前。検索サービスよりもアクティブに活用しているという声もあります。
トレンダーズがSNS検索に関する調査(※1)を行ったところ、20代女性ではTwitter、Instagramともに「毎日かつ1日に何度も検索する」という人が約3割いることがわかりました(Twitter:29.2%、Instagram:28.3%)。3人に1人は、SNSで日々アクティブに検索をしているということになります。
しかも驚くことに、「検索サービスで毎日かつ1日に何度も検索する」という回答の23.3%を上回っているのです。いわゆるイノベーターやアーリーアダプター層と呼ばれる好奇心旺盛なタイプが利用する検索プラットフォームが、検索サービスからSNSに代わりつつあるといえるのではないでしょうか。
さらに性別や年代別に見てみると、最も特徴的なのがInstagramです。次の図において、20代女性の数字が他と比べて突出しているのがわかります。
若年女性ならではのInstagram検索スタイルとは
いつの時代もトレンドセッターとなってきた若年女性たち。彼女たちの動向やインサイトを把握することは、マーケティングにおいて非常に重要なことです。ここからは、Instagramの検索行動に焦点を当て、女性たちのインサイトを紐解いていきます。
1.最も使うのは「アカウント検索」
同調査でInstagramの検索で使っている機能を聞いたところ、トップ3は「アカウント検索」(83.8%)、「ハッシュタグ検索」(82.8%)、「検索履歴」(82.8%)、という結果になりました。
1位のアカウント検索について他の年代と比較すると、女性30代が70.9%、40代が52.9%となり、20代と大きく差が出ています。
2.検索から「ユーザーのプロフィール」をチェック
次に、「Instagramで何かの検索をし、もう少し詳しく知りたいと思ったときに、どんな行動をとることが多いですか?」という質問に対する回答トップ3は、「検索結果に表示された投稿を、さらにいくつか見る」(81.8%)、「気になる投稿をしているユーザーのプロフィールを見る」(75.7%)、「気になる投稿をしているユーザーの他の投稿を見る」(74.7%)の順となりました。
これらの調査結果から、20代女性はInstagramで検索をする際、「何であるか(What)」だけでなく「誰であるか(Who)」の情報を重要視していると考えられます。
3.Instagram検索のモチベーションは「出会いや交流」
「誰であるか(Who)を重要視している」という仮説を裏付ける調査結果がもう一つあります。
2020年9月にトレンダーズが実施した調査(※2)では、20代女性がInstagramで検索するモチベーションは、1位が「暇つぶしがしたい」(66.7%)、2位が「自分と似た人、興味のある人と出会いたい(交流したい)」(40.9%)、3位が「おもしろいものに出会いたい」(37.6%)だと判明しています。
Twitterでは1位が「暇つぶしがしたい」(67.0%)、2位が「ニュース、トピックス、アイテムなどの詳細を知りたい」(58.2%)、3位が「ニュース、トピックス、アイテムなどに対する世の中の反応を知りたい」(42.9%)となり、「自分と似た人、興味のある人と出会いたい(交流したい)」は29.7%でした。検索行動がヒト(Who)につながる点は、Instagramならではといえるでしょう。