YouTubeが企業に注目される理由
動画を使うことにより多くの情報を一度に伝えることができます。テキストや画像を使って商品を紹介するより、音声、映像を使用して紹介することで、商品の理解度は深まり、エンゲージメントも高くなると言われています。
動画によるプロモーションが有効かつ、使用感や効果、操作手順を含めた「理解度」が高まるジャンルは、料理のレシピ動画・DIY動画の他、コスメ動画がその恩恵を受けられるジャンルの一つではないかと思っています。
現在は、デパートなどのコスメ売り場でもコスメのテスターの使用が中止になっていることも多く、肌に乗せた際の色味が重要なファンデーションやアイシャドウなどのコスメを買う際の判断が難しくなっています。
そうした状況の中、GLAPentertainmentが20代女性に行った調査によると、コスメ商品の情報収集源はYouTuberの動画が55%、企業公式YouTubeアカウントの動画が45%と1位2位がYouTubeの動画となっています。

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YouTubeでは、消費者の消費行動の意思決定に強い影響を与えていることがわかります。また、YouTubeの動画一つ一つが、質の高い資産となることもYouTubeを活用する一つのメリットです。
企業のYouTubeアカウントを閲覧するユーザーは、少なくともその企業や商品に興味をもっていることがほとんどです。チャンネル内に、トピックスごとの再生リストを作成し、動画の最後に関連動画として表示させることで、その商品にまつわる他の動画を動画視聴者に紹介することができます。
また、タイトルや概要欄のSEO対策を行うことで、YouTube内やWeb検索から恒常的にユーザーを集めることができます。したがってYouTubeで動画を出すことで一時的に終わるマーケティングではなく、継続して情報を発信することでコンテンツ自体が質の高い資産として、長いスパンで企業紹介、商品のPR、マーケティングに貢献してくれるのです。
5Gの普及により動画が長尺化する可能性
また日本におけるYouTube人気をさらに加速させている一つの要因が、5G普及開始による通信環境の大幅な改善です。日本では、2020年から普及が開始されている5Gですが、3つの特徴として、高速・大容量通信、低遅延、多数同時接続が挙げられます。
この5Gの登場により、YouTubeでは2つの変化が起こるのではないかと考えています。
一つ目は配信するコンテンツ内容の変化です。TikTokやYouTubeのShortsに代表されるように、スキマ時間に見られる短尺動画が流行っており、YouTubeの動画の長さも10分程度の動画が多い傾向にあります。その理由としてコンテンツのおもしろさはもちろんですが、ストレスなく、サクサク動画を閲覧できるといった点もあるかと思います。
今後5Gが普及することで、通信がより速くなり、動画の視聴環境が改善されることで、ストレスなく尺が長い動画も閲覧することが見込まれます。1時間を超えるような動画コンテンツの数も多くなる可能性があります。また高画質の動画に関しても非Wi-Fi下、長尺であっても綺麗な画質を保つことができるようになるため、より制作技術を要するクオリティの高いコンテンツも求められることになるかもしれません。
実際、Googleは2020年6月に1,500万人以上がテレビ画面を通じてYouTubeを視聴したというデータを発表しています。そのため大きな画面で見ても問題のないクオリティの動画が求められる可能性が高いです。
つまり動画を発信するクリエイターや企業にとっては、視聴者に関心をもってもらうためのコンテンツをより高いクオリティで発信していくことが求められるようになっていくことが予想されます。