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多様なユーザー行動を捉え広告配信を最適化!パソナテックのAdobe Marketo Engage活用

Adobe Marketo Engageで実現を目指した3つの改善施策

 ユーザーの行動体験に着目した背景には、次のような事情がある。

 「理想的な状況は、どんな方にもマッチングする求人が潤沢にあることですが、求人を出すタイミングや内容、数の問題は状況的にすぐに解決はできません。そのため、求人数などに頼らず、マッチング率を改善するにはどうすれば良いのか、実際に就業に至るまでの入り口や経路を正確に把握し、ユーザーの状況をしっかり理解して、その行動体験を最適化することを目指すことにしました」(藤川氏)

 ここで役立ったのが、MAツールの「Adobe Marketo Engage」だ。当時は流入から就業までの一連のデータ連携ができておらず、各ユーザーを可視化できないことがネックになっていた。そこでAdobe Marketo Engageと広告効果測定プラットフォームのアドエビスを連携して、次の3つを実現することにした

(1)ユーザー行動をIDで一元管理して、流入から就業までを可視化すること
(2)正確に広告を評価し、投資最適化を図ること
(3)パーソナライズによる1to1コミュニケーションで就業率を引き上げること

講演資料よりクリック/タップで画像拡大
講演資料より
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「なければつくろう」オリジナルIDの自動生成に着手

 続いてそれぞれの展開の詳細が、藤川氏から解説された。まず(1)ID連携によるユーザー行動の可視化だが、早々に思いがけない壁にぶつかってしまったという。Adobe Marketo Engageと自社会員データベースは連携していたため、アドエビスとつなげれば一気通貫の可視化が可能だと考えたものの、リード獲得用のフォームが2種類あることや、ユーザーが情報を更新したときのみデータ取得が行われる仕組みなどから、既存IDの活用ができなかったのだ。

 「悩みましたが、『なければつくる』の考え方で進めました。具体的には、Adobe Marketo Engageに備わっている『Marketo Forms 2.0 API』という自由度の高い機能を活用し、オリジナルIDを自動生成してデータ連携できる仕組みを実装しました」(藤川氏)

講演資料よりクリック/タップで画像拡大
講演資料より
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 流入から就業までのユーザー行動を可視化した後には、(2)広告投資対効果の引き上げに取り組んだ。広告出稿を最適化し、ミスマッチを改善するとともに、より就業に貢献する広告を判別して、広告費のロスを防ぐ。その見通しは当初から立てていたが、前段でユーザー行動を可視化した結果、「CV数と就業率に単純な相関性がない」という思いがけない事実がわかった。CVやCPCなどの広告指標上は差がないように見える広告群でも、登録への貢献度は高いが応募につながりにくい、あるいは既存会員の接触が多く新規獲得につながっていない、など広告ごとの違いが明らかになったという。

 そこで、それぞれの広告が特に何に有効で、どこに改善の余地があるのかを明らかにし、チューニングを図っていった。結果、マッチング率が高く、応募までのリードタイムも短い広告により投資し、ROIを改善した

講演資料よりクリック/タップで画像拡大
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広告配信と訴求内容の見直しでマッチング率が6倍に!

 そして(3)コミュニケーションの改善については、広告の配信内容やターゲットを見直すことで、マッチング率が6倍にも引き上げられた。ここには前段の、広告による違いを正確に把握したことがつながっている

 「複数の広告を分析した結果、ある広告は会員登録のCVは圧倒的に高いのに、その後の応募に貢献していないとわかっていました。つまり、流入者の希望エリアやスキルセットが求人案件に合っていないということです。その点を踏まえて接触するターゲットと訴求内容を変更し、応募につながるよう促しました」(藤川氏)

 同時にAdobe Marketo Engageを通して、Thanksメールや社内アラートもユーザーの属性別に自動分岐・自動配信ができるよう整え、かねて課題になっていた社内オペレーションの負荷も軽減した。

講演資料よりクリック/タップで画像拡大
講演資料より
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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/14 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37316

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