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CVRが400%超!LIXIL×ヤフー×リチカが語るYDA動画広告を最大化する運用型クリエイティブ

 LIXILが、ロングセラー商品「エコカラット」の動画広告をYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)(以下、YDA)で実施した。キャンペーン設計や動画制作をヤフーとリチカがサポートし、商品の持つ機能性を最大限に伝える動画クリエイティブでCTRとコンバージョンの向上を達成したという。動画や静止画の検証改善を回していく「運用型クリエイティブ」のポイントを、3社の担当者に聞いた。

ヤフー×リチカの体制で、LIXILの動画マーケティングを支援

──はじめに、皆さんの自己紹介からお願いします。

杉山:LIXIL(リクシル)の杉山です。私は、キッチンやトイレなどご家庭の水回り製品の中長期的なブランディング戦略の立案や、プロモーションの設計、実行を担当しています。

吉村:ヤフーの吉村です。ヤフー広告の効果を最大化する運用ナレッジなどをクライアント様へご提案するコンサルティング営業として、LIXIL様を担当しています。

妹尾:リチカの妹尾です。リチカは、運用型クリエイティブクラウド「リチカクラウドスタジオ」の提供を通じて、動画や静止画のクリエイティブの制作、検証、改善を支援しています。ヤフー様とは、2020年からYDAにおける動画広告の共同研究で協業しており、今回はLIXIL様のクリエイティブパートナーとして関わりました。

LIXIL商品の機能性を動画広告で訴求し、クリックの質を向上

──これまでLIXILは、検索広告や静止画バナーを中心にデジタルのプロモーションを展開されてきました。今回、YDAで動画広告を出稿された背景を教えてください。

杉山:LIXILがあつかう住宅設備、建材は多くの方に普段使っていただいており身近な商品ではありますが、購入機会は多くありません。そのため、商品情報を確認される機会も少ない可能性があり、ご検討されているお客さまには、まず私たちの商品を知っていただくことが大事だと思っています。

 広告のクリエイティブでも知っていただくことはできますが、より深いコミュニケーションのためにはサイト流入が必要であり、クリック率は重要な指標だと捉えています。静止画のクリエイティブテストは多く試してきましたが、更に動画を加え、広告のパフォーマンスを上げたいと考えていたところ、吉村様よりYDAの動画広告をご提案いただきました。

株式会社LIXIL ブランド&マーケティングストラテジー統括部
LWT商品ブランド部 チームリーダー 杉山隼平氏

吉村:今回YDAの動画広告をご提案した理由は、2つあります。1つ目は、LIXIL様の商品機能をよりリッチに伝えるには、静止画より動画が適していること。たとえばキッチンのハンズフリー水栓は、手をかざすだけで水が出ます。この機能性は、静止画だけで伝えるより動画で表現した方が一目で伝わります。

 2つ目は、そもそもYDAにおける静止画を見るユーザーと動画を見るユーザーの重複ユーザーが少ないことです。不動産カテゴリーの重複率は5、6%ですから、動画広告でLIXIL様のリーチやユーザー層が広がるメリットがあると考えました。

──動画広告は、「関心はあるが、運用面やクリエイティブの用意が難しい」と悩まれる企業も多いです。杉山さんは、いかがでしたか。

杉山:吉村さんにご提案いただいたときは、正直なところ動画のクリエイティブ制作に不安がありました。しかし今回は、YDAの動画広告の制作ナレッジをお持ちのリチカさんの協力があり、吉村さんにも媒体特性の面からアドバイスをいただけたので、安心して挑戦できました。

15秒の動画広告で伝えられるポイントは1つ

──続いて、具体的なキャンペーン内容を教えてください。

杉山:今回のキャンペーンにはエコカラットという商品を起用し、2020年1月から3月までYDAで動画広告を配信しました。エコカラットは、20年以上ロングセラーを続ける内装機能建材で、Instagramでも投稿数が多い人気の商品です。

 特長は、デザイン性と、脱臭や調湿(適切な湿度を保つ機能)などの機能をあわせ持っていること。動画では、コンパクトサイズのエコカラットを取り上げました。絵画のようにインテリア感覚で飾れることと、機能性を訴求したいと考えました。

実際に配信したクリエイティブ

──動画クリエイティブの制作で、重視したポイントはどういったところでしょうか。

吉村:アウトストリーム型のYDAの動画広告は、冒頭の数秒が勝負です。エコカラットは生活者からの認知が高い商品ですから、「ブランドの魅力」を冒頭に置いた構成案を考えました。その案に対し、妹尾さんからは「この文字数のメッセージを伝えるなら○秒くらい必要です」など、動画のプロフェッショナルの立場からアドバイスをいただきました。

妹尾:実は、15秒で伝えられることは1つしかありません。動画制作のときは、「何を1番伝えたいのか」をいつも意識しています。特に杉山さんから、「エコカラットのカラーバリエーションを伝えたい」と伺っていましたので、ご用意いただいた玄関空間の素材を元に、複数の動画を制作しました。

株式会社リチカ ビジネスDiv 事業開発Sec
ビジネスプロデューサー 妹尾浩充氏

杉山:吉村さんからは、正方形フォーマットの動画広告のアドバイスをいただきました。このフォーマットでは、テキスト情報やCTAボタンが置きやすいんです。どんなデザインが最適なのか、一緒に議論をしながら制作を進めました。

──制作には、どのくらいの期間がかかりましたか。

吉村:とてもスピーディーでしたね。LIXIL様の場合、キャンペーンの期間が1ヵ月から2ヵ月と短期的なため、クリエイティブ制作にあまり時間をかけられません。もちろんクオリティの高いクリエイティブの制作が必要ですが、配信後の運用までを意識し、それぞれで早めの意思決定を心がけました。

動画のコンバージョン率は静止画と比べ424.5%に

──成果を教えてください。

杉山:静止画と動画のクリック率を比較したとき、動画のほうが高く、281%の違いがありました。加えてコンバージョン率も高く、424.5%でした。

 また、エコカラットの機能性をきちんと伝えられましたね。エコカラットはいわゆる「壁」なので、ご存じのない方が見ると「エコカラットってどれ?」となってしまうんです。でも、動画のエフェクトでエコカラットを具体的に表現できました。この反響を受けて、継続して動画広告を実施しています。

吉村:2回目の動画広告の配信では、梅雨を想定して動画の切り口を変えました。カエルの画像を入れて、エコカラットの調湿性を強調し、課題解決型のクリエイティブにしています。また、リターゲティングも行い、新規ユーザーには新しいクリエイティブ、リターゲティングでは初回キャンペーンで使ったクリエイティブを配信しました。

ヤフー株式会社 CSO
マーケティングソリューションズ統括本部 第二営業本部 営業 吉村恵氏

──LIXIL社内ではどのような反響がありましたか。

杉山:「静止画で表現したときよりも、動画のほうがわかりやすい」という声が印象的でした。他事業、キッチンやバスルームなどの担当者も、「動画は表現の幅が広がるね」と話しています。お客様が知りたいこと、そして私たちが伝えたいことの両方がバランス良く表現できるのは、動画のほうが優れていると感じました。

動画だからこそある表現の幅を活かす

──キャンペーンを振り返って、今後に活かしたいことを教えてください。

杉山:今回あらためて実感したことは、動画でお届けできる情報量の多さ、表現の幅広さです。たとえばトイレを訴求したいとき、動画なら壁や床なども含めたトイレ空間をお伝えできます。キッチンも、リビングなどの生活空間や過ごし方まで動きをともなって表現できますよね。今後も動画を活用して「生活のあらゆるシーンに介在するLIXIL」をお客様にご提案したいです。

 また同じ動画でも、映画とテレビCMの作り方が違うように、目的に最適な制作の方法がありますよね。ヤフーさん、リチカさんとの取り組みで、動画広告では、まず仮説を立てて制作して配信し、最適なクリエイティブを見いだしていく方法もあると知ることができました。今後に活かしていきたいです。

実際に配信したクリエイティブ

大切なのは、高速で検証改善を回す「運用型クリエイティブ」の考え方

──今後の展望を教えてください。

杉山:LIXILでは「おうち時間を幸せに」のメッセージでテレビCMを実施しています。パーツ単位のリフォームだけでなく、お客様の日々の暮らしや生活をより豊かにする付加価値のある住まい作りのご支援をしたいと考えています。

 そのためには単に商品を紹介するのではなく、暮らしのシーンや住む人の豊かな表情も交え、お客様のイメージが膨らむような情報発信が欠かせません。引き続き、ヤフーさん、リチカさんにご支援いただきながら、動画の活用シーンを広げ、自分たちで最適な動画広告の運用ができるようにしたいです。

吉村:LIXIL様のご支援はもちろんですが、ヤフーはメディアとしても動画クリエイティブ全体のクオリティを高めなければと考えます。たとえば、プロモーション内容がターゲットや媒体特性にあっているかなど、ヤフーユーザーのメリットも考えた上で、クライアント様のビジネスを最大化したいです。

妹尾:リチカでは、動画と静止画の両配信をしながら、クリエイティブの検証、改善のPDCAを高速で回していく、「運用型クリエイティブ」の考え方を大切にしています。「運用型クリエイティブ」を通じて、誰に何をどう伝えるのが良いかを磨き続けることが重要です。もちろん、これは目的、配信面によっても変わってきます。今後も、動画のみならず、マーケティング戦略全体を見ながら、キャンペーン目的、配信面、商材特性を掛け合わせた最適なクリエイティブ、およびその運用をご提案していきたいと思います。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/15 11:30 https://markezine.jp/article/detail/37396