広告費の一番の無駄遣いとは?
インターネット広告キャンペーンを始める前に、まずは「CPA(及びCPO)目標」を明確にすること。そして広告主の経営者および担当者、広告代理店の営業およびスタッフなど、全員が同じ目標を共有して一緒に考え、運営していくことが重要である。
しかしインターネット広告キャンペーンの多くは明確な目標を立てず、共有化されないままに実行されている。広告主側で目標CPAを持っていたとしても、広告代理店には伝えていない場合が多い。ダメな広告代理店なら責任逃れのために“あえて”目標を聞かない場合もあるだろう。
目標自体をうやむやにすると、インターネット広告は失敗する。「CPA○○○○円以下を達成できたら成功、CPA○○○○円以上になったら失敗」という明確な基準を全員で持ち、広告主と広告代理店が同じベクトルに向かいインターネット広告を進めることが、成功するために絶対に必要な条件である。多少精神論に聞こえるかもしれないが、目標のある人間が頑張れるように、組織も同じく目標があった方が良い成果が出せる。
また、この目標の設定および共有により、広告主も広告代理店も、自分がどのくらいの位置まで来ているか知ることができる。例えば減量するという漠然とした目標があった場合、方向は分かっていても、はたして3kg痩せればいいのか10kg痩せればいいのか、はたまた30kg痩せればいいのかが全く分からない。しかし「30kg痩せる」という目標を設定したら、15kg痩せた時点で目標の半分まで来ていると実感が持てる。
この目標があるかないかによって、現場でインターネット広告を運営する広告代理店のモチベーションはもちろん、戦略や戦術が大きく変わり、キャンペーンの結果も大きく変わってしまう。そして何よりも、目標を明確にすることにより、広告代理店はその信頼に応えるため、責任という重圧に耐え、目標CPAを達成するために“消費者に商品を売る”インターネット広告のプランニングに集中する。そう、プレッシャーにもなるのである。
もちろんCPAが1円でも低ければ低いほど理想ではあるが、非現実的な夢物語を語っても仕方がない。そこで目標を設定する場合は、必ず下記3つのCPAを共有するべきである。
- 最低CPA : これよりも1円でもCPAが上がったら赤字になるというギリギリのCPA
- 現実的なCPA : 過去の他媒体(折込チラシなど)の実績から現実的なCPA
- 理想のCPA : 現実的なレベルで理想のCPA
効果測定が明確になるインターネット広告だからこそ、結果に対する効果を判断する指標が絶対に必要なのである。
