これまでの経験を全部活かして起業
野崎:今回はマーケティングのキャリアから起業に至った、CastingONEの野澤さんに話をうかがいます。野澤さんは、新卒でサイバーエージェントに入社し、その後短期離職を2度経験したのちにリクルートジョブズに転職。その後CastingONEを起業し現在に至ります。
そんな野澤さんの話からは、大企業とベンチャーで得られる経験の違いなどキャリア形成に役立つポイントがたくさんあるはずです。また、短期離職が続いてしまったキャリアからのリカバリーは難しいので、そこも参考になる話が聞けたらなと思っています。まず、CastingONEではどのようなビジネスを展開しているのか教えてください。
野澤:CastingONEは2019年11月に設立した企業で、クラウド派遣支援サービス「CastingONE」とマーケティング支援の2つの事業を展開しています。
元々人材派遣会社とリクルートジョブズに在籍していたこともあり、その経験を活かして人材業界にある課題を解決すべく「CastingONE」を立ち上げました。ただ、SaaS(Software as a Service)の提供だけで黒字を作っていくのはそう簡単なことではないので、これまでの経験を活かしたマーケティング支援事業も始めています。
野崎:どのような社長業を行っているのでしょうか。
最初は営業の案件対応から経理・財務まで社長としてすべてのことを担当していましたが、現在はSaaS事業のマーケティングやファイナンス、採用に力を入れて対応しています。
CAで馬車馬のように働いて得たもの
野崎:マーケティングのスキルがあると、支援事業で一定のマネタイズができて、新規事業の足掛かりにできるというのは有益な情報だと思います。では、そんな野澤さんがどのようにして出来上がったのか、これまでのキャリアを振り返りたいと思います。
ファーストキャリアは、2013年に新卒でサイバーエージェントに入社だと思いますが、元々インターネット広告に関心があったのでしょうか。
野澤:就職活動では商社、広告、金融を見ていました。その中で曽山さん(現・サイバーエージェント 常務執行役員 CHO 曽山 哲人氏)が説明会のプレゼンで「すごい会社に入るより、すごい会社を作るほうがかっこいい」と話されていて、それに共感してサイバーエージェントを受け、縁合って内定をいただくことができました。
野崎:もし、商社や金融に入っていたら今のキャリアはなかったかもしれませんね。入社後はどういった業務に携わったのでしょうか?
野澤:SEMの運用から始まり、アフィリエイト、SEO、ディスプレイ広告、純広告などありとあらゆる業務に携わりました。当時は馬車馬のごとくひたすら働いてましたね。
野崎:夢中になれることやワクワクすることに携わっていると、あっという間に時間が経ちますよね。若手のうちにモチベーション高く経験値を積んでおくと、30代以降のキャリアに大きなアドバンテージとなることが多いです。そのため、勝負するキャリアを選択するなら、社内外問わず適切な環境探しを早く始めたほうが有利だと思います。
さて、サイバーエージェントには5年近く在籍していたと思いますが、今にどのようなスキルが活きていると感じますか?
野澤:マーケティング全般に関する基本的なスキルと、お客様との認識のずれがないか確認するスキルですかね。今でいうカスタマーサクセスに近いと思っていて、お客様の望む結果が出るよう、誰にどのような価値を届けていくか細かく設計できたのは、今の自分に活きています。
また、DMPの開発のプロジェクトマネージャーも担当したので、広告運用とは違った経験が得られて良かったです。