デジタル時代におけるタレント起用の正解とは
タレント・アーティストのDX支援を包括的に手掛けるFIREBUGでは、これまで企業が芸能人のYouTubeチャンネルとのコラボの秘訣を解説する連載を行ってきました(過去記事はこちら)。そして、今回から始まる連載では、デジタル上で有名タレントを起用し成功したキャンペーン事例を紹介していきます。
昨今は、テレビCMなどのマスマーケティングが、デジタルツールの進化でさらに費用対効果が重視される時代になりました。加えて、デジタルマーケティングで有名タレントを起用する場合には、タレントのSNSを活用しなければ費用対効果が合わない、タレント起用の判断基準が難しくなってきているなど、タレント起用に関する様々な課題が出てきています。今回の連載では、その課題解決のヒントを届けたいと考えています。
今回は出前館が成功した「ハンバーグ師匠(スピードワゴン・井戸田潤)を起用したTwitterキャンペーン」施策で得られた成果や、デジタルマーケティングにおけるタレント起用の現在について、出前館の高木氏と三代氏、当社のセールスチームマネージャー・永田広貴の対談形式で振り返りました。
マス広告で認知度を拡大し、Web広告で次のステップへ
永田:まず、出前館さんがこれまでどのようなマーケティングを展開していたかをお伺いしたいと思います。
高木:2020年は、認知率調査をしたところ50%くらいしかなかったため、認知を拡大すべくダウンタウンの浜田雅功さんを起用し、テレビCMを中心としたマスマーケティングを展開しました。その結果、認知率が80%以上に上昇し、競合とも肩を並べられるくらいになりました。
ただ、そこから一歩踏み込んで利用してもらうところまでいくには、認知拡大とは少し違う戦略が必要なので、SNSを活用した施策に力を入れているところです。
永田:テレビCMで知名度は上がったので、次はアクションに近い端末やデバイスにアプローチする、もう一歩踏み込んだ段階ですね。
高木:そうです。テレビCMをWebで二次活用することもありますが、スマートフォンから認知拡大向けの情報を見ても利用につながりにくいので、テレビデバイスで視聴している人だけに流すなどの工夫をしています。その点SNSであれば、クーポン情報を見てすぐに利用してもらえますからね。
三代:そもそも認知率が低いと、検索する人やサイトを訪れる人も少ないですから、直近はテレビCMで検索数、訪問数の大幅な拡大を図り、利用者増加のため検索する新規ユーザー向けのWeb広告に注力するなど、オフラインからオンラインの流れで展開してきました。LINEの資本が入る1年前は、既にサイト利用経験のあるユーザー向けのリターゲティング広告のシェアが高かったのですが、ボリュームのとれるマスに焦点を当て新規ユーザー獲得にシフトチェンジしました。