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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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TikTok運用の現場から!

TikTokで初速を上げるとInstagramも伸びていく。今のSNSマーケは「掛け合わせ」が超重要

他SNSとの掛け合わせが上手いアカウントを、一挙紹介!

MZ:他SNSとの掛け合わせ、動線の作り方を工夫しているアカウントがあれば、ご紹介ください。

田中:SNSごとに紹介します。

Twitter:“匂わせ集客”の上手い「銭ペン」

 Twitterでのツイートをそのまま画像として投稿内で使用することで、間接的にTwitterの集客ができる。

@zenipen

これが女子の本音です。絶対最後まで見て下さい。##恋愛

♬ オリジナル楽曲 - fuu

 TikTok(@zenipen

 Twitter(@zenipen_

Instagram:媒体ごとの使い分けを工夫した「ギフト侍」

 TikTokで「集客」し、Instagramで「教育/ファン化」するという掛け算によって短期間でグロース。導線としては、「インスタDMでギフト相談」とプロフィールに記載し、インスタへ遷移する明確な動機を作っている。

ギフト侍のプロフィール
ギフト侍のプロフィール

 TikTok(@gift_zamurai

 Instagram(@gift__zamurai

LINE公式アカウント:アクションハードルを下げる「看護ちゃんの日常」

 遷移数が多くアクションハードルの高いLINE公式アカウントの友だち追加を、実際に動画内でやって見せることで簡単さを伝える。追加後のやりとりの一部を見せることで、工数に勝るベネフィットを感じさせる。外部遷移させるときは、遷移先内を事前に見せることで追加のハードルを下げる(外部誘導=怪しいのでは?という懸念を払しょくする)。

@kango_chann

【病院紹介のリクエスト受付中です】##看護師 ##看護師の日常 ##転職 ##病院

♬ 魔法の本より - sui

 TikTok(@kango_chann

森:こうやって見比べると、メディアごとに特徴があるのがわかりますよね。たとえばLINE公式アカウントは“反応させるメディア”です。LINEは資産性が高く、1回のプッシュ通知でリンク先に遷移してくれたり購入してくれたりする人が相当数います。しかしプッシュ通知を送るたびに何十人かがブロックします。一方、Instagramは毎日投稿してもブロックされないですし、フォローも外さないという違いがあります。

TikTokのKPIをフォロワー数にするのは間違い?

MZ:他のSNSではKPIとしてフォロワー数を追うケースも多いように思いますが、TikTokでそれを追うのは間違いでしょうか?

田中:SNS全般に言えることですが、特にTikTokにおいては、「フォロワー数」よりも「フォロワーの質」を追うことが重要です。というのも、「フォロー」へのハードルが低いTikTokにおいては、他のSNSよりも「フォロワー数」と「売上」の相関が弱い傾向があるからです。つまり「フォロワーの質」を意識しないと、KPI(フォロワー数)は達成できても、KGI(売上)は未達といった「目的」と「手段」が逆転する現象が起こってしまいます。

 ですから集客したいフォロワー属性という「フォロワーの質」を明確にし、売上に繋がる数値をKPIに設定することが重要です。上記を踏まえた上での、KPI設計の手順は次の通りです。

TikTokマーケティングのKPI設計(提供 HADO)
TikTokマーケティングのKPI設計(提供 HADO)

 また、オフライン・オンラインで複数のチャネルを持つ企業では、「フォロワー数」や「TikTok経由のコンバージョン数」などのTikTok単一のチャネル最適化発想ではなく、マーケティング全体の波及効果を考慮して、計測可能な指標に落とし込むのも中長期的に運用をする上で重要な視点になります。

森:「どうやったらバズるんですか」という相談を多くいただきます。確かにバズは大事ですが、「何のためにやるのか」というアカウント運用の目的を明確にし、KGIをきちんと決めて実施しなければ、マーケティング的な成果にはつながりません。

 たとえば転職サービスを提供する会社がTikTokを運用した場合、TikTokから直接、転職活動をするとは考えにくいですよね。TikTokは途中の動線になるはずで、ミニマムのCVをどこに持ってくるかが重要になります。そうすると、いったんLINE公式アカウントを掲示して、LINEで顧客育成をしたりヒアリングをしよう、などと設計ができていくと思います。

 そこで改めて、このTikTokアカウントの目的は何かと考えると、LINE公式アカウントへの遷移数を増やすことになります。さらに言うと、転職希望者のLINE公式アカウント登録数を増やすことですよね。そうなると、「転職したい」というインサイトを引き出すためのテーマや表現を検討していくことになります。そうやって逆算的に考えた結果、このインサイトを伝えるために一番バズりやすいものは何だろう、と、はじめてバズの話に行きつきます。バズは最後に考える「手段」なのです

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37933

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