多様なTikTokのコンテンツが貴重な情報源に
MZ:では、2つ目のインサイトについて解説をお願いします。
ハーマン:2つ目は「限られた時間で、最新情報に幅広く触れたい」というインサイトです。先ほどお伝えしたように主婦・ママ層は忙しく、テレビや雑誌などをゆっくり見る・読む時間がありません。そのため、TikTokが情報源となっているようです。また、自分から情報を探しに行くのではなく、「おすすめ」フィードを見て新しい情報に出会っています。
MZ:よく見ているコンテンツの傾向はありますか。
ハーマン:主婦・ママ層は、他のユーザーに比べて料理や赤ちゃん、メイク、エンタメ、ペット、ハウツー系の動画の視聴が伸びています。また、検索されているハッシュタグを分析すると#購入品紹介や#主婦の日常など、自分と関連性の高い動画や他のご家族がどのように過ごしているかを知りたがっていることがわかります。
TikTokがリラックス・安心できる場所に
ハーマン:3つ目のインサイトは「主婦だって、ほっとする自分の時間が必要」です。定性調査の中では、「TikTokを見ているときは、子どものためでなく、自分の時間として使えている」といった意見が出てくるなど、リラックスする場としてTikTokが機能していることがわかっています。
すき間時間以外にも、お風呂に入っている間や寝る前など、数少ないプライベートな時間にTikTokを見る方も一定数います。
4つ目のインサイトは、「自分の生活に近いリアリティに共感」です。TikTokでは育児のあるあるや急な両親の来訪に備えて大掃除をする動画など、主婦・ママが共感したくなるような動画がたくさん投稿されています。そういった動画を見ることで自分の生活に近いリアリティを感じることができ、安心するという声も定性調査の中から出てきています。
そして、最後のインサイトは「家族とのコミュニケーションが生まれる」です。TikTokを家族と一緒に見る主婦・ママ層も多く、定性調査の中では「子どもと一緒に動画を見て遊びを真似る」や「見た動画がよく食卓の話題になる」といった回答もありました。このように、情報源としてだけでなく、TikTokがコミュニケーションのきっかけになっているのです。
MZ:ここまで5つのインサイトを紹介いただきましたが、主婦・ママ層のTikTok利用で特徴的だと感じる点はありますか。
集中してTikTokを見ているという点ですね。実際に主要3プラットフォーム平均と比較したところ、音声ONが231%、全画面視聴は176%と高いのに対し、ながら視聴は33%と低い結果となりました。TikTokの特徴であるフルアテンションが、主婦・ママ層にも受け入れられていることがわかりました。
また、広告意識に関する調査を行ったところ、TikTokを利用している主婦・ママ層の広告に対する反応がどれも高くなっていました。