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特集:あのマーケターに聞きたい、スキルアップとキャリアの話

業界の先輩8名に聞く、マーケターとしての仕事との向き合い方

 各業界で活躍する8名のマーケターに、キャリアやスキルアップについて質問。すると、皆さんがマーケターとして仕事とどう向き合っているかが見えてきました。

※本記事は、2022年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』75号に掲載したものです。

以下8名の方からコメントをいただきました。

GumGum Japan 若栗直和氏/電通 越智一仁氏/博報堂 増田昌弘氏/
Peecan 鋤柄直哉氏/プレイド 川久保岳彦氏/ Marketing Demo 石井賢介氏/
ユートラスト 大前宏輔氏/良品計画 篠原佳名子氏

GumGum Japan マネージング・ディレクター 若栗直和氏

GumGum Japan マネージング・ディレクター 若栗直和氏

 広告とブランディングを専門として20年以上にわたり活動。2000~2017年の間、広告会社オグルヴィ(Ogilvy)で東京・香港・上海・シンガポール・台湾などを拠点に活動。アジア・グローバル向けのブランド戦略・クリエイティブ開発・施策立案に従事。2018年よりGumGumの日本代表として国内事業の統括を行い、次世代の広告の開発・普及に取り組んでいる。

マーケターとしてのターニングポイントは?

 私が広告ひいてはマーケティングに関わるようになったのは1998年春のことで、はや24年が経とうとしています。はじめは看板売りから始まり、セールスプロモーション、イベント、新聞・雑誌、テレビ・ラジオ、広報・PR、消費者調査、ブランド開発、Webサイト、ソーシャルメディア、インフルエンサー、デジタルメディアなどなど、さまざまな領域に触れてきました。その中で大きな転機となったのは、2005年から2018年まで海外で働き、国や文化の違いにそれほど捉われない、普遍的なブランド訴求や広告のあり方を知ったことだと思います。

 私が今も広告の仕事が深いと感じているのはこの理由によるところが大きく、絶えず変化し続ける技術や環境の中にあっても、人々の本質を捉え、訴えかけ、前向きな気持ちや行動のきっかけになるような広告やマーケティング活動に携わりたいと、常に考えています。こうした考えが広く支持され実践されるようになること、また同じ方向を目指す人たちと場所や背景を問わず意義ある取り組みを行うことが、私の目標です。

スキルアップや日々の情報収集はどうしていますか?

 私が特に気をつけているのは、同じテーマやトピックであっても必ず国内・海外の視点を通して情報を理解するという点です。最近ですと、たとえば、プライバシー保護やクッキー規制に関連する話題については、日本国内の複数ソースと海外の複数ソースの記事を必ず読むようにし、温度感や法規制の違いを理解するだけでなく、その話題の本質部分の理解を求めるようにしています。

 また加えて、自らの業界や業務に直接関係する情報だけでなく、示唆が期待できるものについては分野を問わず広く目を向けるようにしています。有名なビジネス・マーケティング・広告業界まわりの情報源には基礎情報として目を配りつつ、歴史や社会コンテンツにもPodcastや書籍などで日常的に触れるようにし、ビジネス・経営・生き方全般に関する示唆を得る機会も増やしています。最近特におすすめなのはポッドキャストで聴ける『COTENRADIO(コテンラジオ)』で、過去の偉人・奇人の業績・行動・考え方・生き方から学べることは計り知れないです。

電通 クリエーティブ・ディレクター 越智一仁氏

電通 クリエーティブ・ディレクター 越智一仁氏

 CXクリエーティブ・センター/Dentsu Lab Tokyo所属のクリエーティブ・ディレクター。映像表現、デジタル、PRなどが得意領域。主な仕事は、王子ネピア「Tissue Animals」、小林市「ンダモシタン小林」、Yahoo!JAPAN「聞こえる選挙」、ヤッホーブルーイング「先輩風壱号」「無礼講ースター」、森ビル「DESIGNING TOKYO」など。

マーケターとしてのターニングポイントは?

 入社7年目に行ったカンヌ・ライオンズと、その直後に担当した王子ネピアさんのCSRキャンペーンです。カンヌのセミナーで聞いた「もう消費者はアドではなく、コンテンツしかシェアしない」という言葉が強く印象に残り、どう解釈するか、帰りの飛行機の中でずっと考えていました。それまではオリエンで言われたことを素直に受け止めてプレゼンしていましたが、上述のCSRキャンペーンでは、初めてオリエンでは求められなかったことを提案することに。「CSRの取り組みをWebサイトで紹介してほしい。ただし、バナーなどを打つ予算はない」という内容を受け、「それではまったく知らない人が流入してくる入り口がないので、たとえばユニークなWebムービーをYouTubeで公開し、それを入り口にするのはどうでしょう?」と提案しました。

 国内でバイラルさせるのは難しいと判断したので、海外向けにノンバーバルなコマ撮りアニメを制作。サイトへのリンクや説明文を緻密に貼ったり、海外メディアにPRを集中投下するなど、初めての試みをいくつも行いました。結果、海外で大きな話題となり、それが国内に逆流する形で多くの方にCSRの活動を知っていただくことができました。

スキルアップや日々の情報収集はどうしていますか?

 心掛けていることは、「変わり続けるものをリサーチすること」と「変わらないものに注意すること」の大きく2つです。1つ目の「変わり続けるもの」とは、主にメディアやプラットフォーム、カルチャー、テクノロジーなどです。SNSではアカウントを使い分け、分野や領域によって情報抽出を行っています。また、僕が所属するテクノロジーを主軸としたクリエイティブ・チーム「Dentsu Lab Tokyo」で行っているサーベイなども大きな情報ソースです。それでも、日々情報が更新され続ける世の中なので、かなり頑張らないとすぐに取り残されてしまう不安を常に感じています。

 2つ目の「変わらないもの」というのは、「人間の感情やそのメカニズム」です。スピードの速い時代、我々がこの世界で生き残っていくために必要な要素は、これだと思っています。モノやコトに対して、光の当て方を変えてあげると人が興味を持ってくれるのは昔から変わりません。私が特に重要だと思っているのは「驚嘆」と「共感」です。「驚嘆」は人を振り向かせ、「共感」は心の距離を近づけてくれます。新しい情報はもちろん大事ですが、なぜそれを人々は喜んでいるのか?を、ヒューマンな視点で分析することが、スキルを高めるポイントだと考えています。

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博報堂 マーケティングプラニングディレクター 増田昌弘氏

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/28 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38605

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