SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第83号(2022年11月号)
特集「Web3、メタバース、NFT ── 最新技術が マーケティングに及ぼす影響」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2022 Spring

「一期一会の商売からリテンションビジネスへ」三越伊勢丹のリモート接客に学ぶ、デジタル推進の勝ち筋

 三越伊勢丹は、2020年の緊急事態宣言中からリモートでの接客を始め、同年11月にはオンライン接客アプリ「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ(以下MIRS)」をリリース。その後も接客力をはじめとする「人の強み」を活かしながら、オンラインを取り入れた顧客体験をアップデートしてきた。MarkeZine Day 2022 Springにおいて、三越伊勢丹の升森氏が、これまでどのようにオンラインのサービスを開発し現場へと浸透させてきたのか、今後どのような顧客体験を目指すのかを発表した。

老舗百貨店の三越伊勢丹がオンライン接客に踏み切った理由

 三越伊勢丹は5年ほど前からデジタル事業に力を入れている。同社の強みを切り出しデパ地下商品を宅配するサービス「ISETAN DOOR」や、化粧品を切り出したECサイトの「meeco」の事業をまずスタート。さらに百貨店事業自体にデジタルを取り入れる動きも進んできた。

 今回はその中でも大きなプロジェクト「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」(通称、MIRS)の裏側を解説。同社でデジタルの現場推進を担当する升森一宏氏が、サービス誕生の経緯から説明した。

株式会社三越伊勢 MD統括部 オンラインクリエイショングループ デジタルサービス運営部 部長 升森一宏氏
株式会社三越伊勢丹 MD統括部 オンラインクリエイショングループ デジタルサービス運営部 部長 升森一宏氏(2022年3月講演当時)

 「2020年、全国に緊急事態宣言が出され当社も店舗が休業。その中で何かできないか社員で話し合ったところ『オンライン接客をやるべきでは』という意見で一致しました」(升森氏)

 そこでまずはLINEとZoom、電話を組み合わせた形で、6月の緊急事態宣言あけに早速サービスを開始。すると、接客とオンラインの親和性の高さに気づいたという。既存のツールを組み合わせたやり方では顧客にも従業員にも利便性の観点から課題が残るため、一気通貫した自社ツールの開発に踏み切った。そこから約半年という短期間で、2020年11月にMIRSのリリースに至る

 MIRSの特徴は「店頭のほぼ全商品(一部除外品あり)をオンラインで買い物できる」こと。ネットショッピングとは異なり、チャットもしくはオンラインで接客を受けて購入できる顧客体験が魅力だ。

 「アプリ内では、チャット機能で会話ができ、気になった商品はビデオ通話機能で接客することで、お客様にご納得いただくことができる」と升森氏は説明する。

 また、個品登録機能は接客しているスタッフが全ての商品を顧客のカートに入れることができる機能。「ECサイトに全商品は掲載できませんが、MIRS接客ならお客様からリクエストいただいた商品をご案内することで店頭展開のほぼ全ての商品をお買い物いただける」という。

 こうした顧客とのやり取りは、CRM機能で把握。このサービスの利用には三越伊勢丹のWeb会員「DID会員」に登録する必要があり、同社の従業員はどんな顧客かを理解した上で接客することも可能に。またチャットの会話や購買の実績、アンケートの内容を、顧客一人ひとりのカルテとして溜め、店頭での接客履歴との連携もいずれ行う想定で、日々開発を進めている。

 つまりMIRSは、顧客とのコミュニケーション機能と顧客カルテ機能が一つになった接客の支援ツールなのだ。

「個のお客様」への価値を高める

 取り組みの狙いを升森氏は「オンライン上でいつでもどこでも接客を可能にすることはもちろん、個のお客様を識別した『リテンションビジネス』の構築」と説明する。

 従来のビジネスではマス向けに情報発信し、後は顧客の来店がスタートラインだった。来店後も接客の履歴は従業員の記憶などアナログに頼ることが多かった。升森氏は「一期一会の商売に近かったのではないか」と話す。

 MIRSを活用することで、いつでもどこでも接客ができ、その際に顧客を識別することでパーソナルなアプローチが可能だ。そうすると情報発信も、一対一や一対少数にセグメントすることで適切化できる。

 「MIRSを通じた新しい顧客体験を通じてリテンションビジネスを構築していきます。売り上げを上げるだけではなく、カルテを通じてお客様のLTVを上げていきたい。そこが最終的なゴールです」(升森氏)

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
百貨店ならではの顧客体験をオンラインでも

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
MarkeZine Day 2022 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

尾高 志保(オダカ シホ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/04/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38805

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング