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編集長インタビュー

顧客の成功を起点にしたマーケティングを体現/グロース X 取締役COO 山口義宏氏の挑戦

グロース X COO就任の背景

――山口さんは6月1日付でマーケティング人材を育成するグロース XのCOOに就任されましたが、どんな背景があったのでしょうか。

山口:グロース XのCOOを引き受けた背景には、3つのポイントがあります。

 1つ目は、グロース Xのサービスが提供する価値の汎用性が高く、事業の成果を出すという目的に直結して矛盾がないこと。事業で成果を出すために大事なことは、事業フェーズと顧客特性に合わせた施策を選択し、投資することです。施策の質の良し悪しは当然大事ですが、その手前に「限られたリソースで、どのような目的で、どのような施策から投資するのか」という選択こそが、成果の大枠を規定します。

 簡単に言えば、「最新の施策ではなく、最適な施策を選ぶ選球眼」でしょうか。グロース Xの提供する「教育」は、広告運用のテクニックのような「施策アプリケーション」の領域に留まらず、その手前にある「マーケティングのOS」と呼べる領域の強い土台の育成をサポートできます。

 2つ目は、グロース XはSaaSを中心としたビジネスモデルなので、私がこれまで取り組んできたコンサルティングよりも、同時に多くの会社と関わり貢献できること。関わる社数が無理なくスケールできるビジネスモデルやサービス形態であるところが、個人的には大きな魅力です。

 インサイトフォースは私が代表を降りても既存メンバーでサービスを継続していますが、残念ながらコンサルタントのリソースが限られていることで、いただいた引き合いのすべてには応えられず心苦しい思いがありました。グロースXはSasS形態が軸のサービスなのでリソースの制約が少なく、そこは人が張り付き続けるコンサルティングよりだいぶ違います。

 3つ目は、文句なしに経営チームのクオリティが高いこと。経営陣のメンバーは、人間的にも魅力的で、お互いの能力も補完関係にあって、相性がいいと思ったことが大きいですね。そもそもマーケティングに強い人が経営に入ったのに成果を出せない原因の半分は、「これをやればうまくいく」と思えることがあっても、経営陣で合意形成することが難しいことがあげられます。でも、グロースXの経営陣や株主は全員がマーケターなので、異なる意見は出てきても「経営陣のなかで理解されないから望む意思決定が得られない」というシーンはありません。

 これまでも株主・アドバイザーとして毎月の経営会議に出ていましたが、その場での田岡さんや西口さんなど経験豊富な方々からの指摘は気づきに満ちています。良い意味で緊張感がありますし、自分としてもまだまだ成長できる環境で、贅沢ですね。

ミッションはカスタマーサクセス

――具体的には、山口さんは何に注力されるのでしょうか。

山口:グロース Xのサービスは、タクシー広告の秒数で伝わるように切り取ると「アプリによる研修のDX」ですが、我々の良さの本質は、インプットのみで終わらせずに、活用とその先の成果を出すところを見据えて支援していることです。インプットを実際に活用するフォローアップの仕組みを、カスタマーサクセスのチームで磨き上げていきます。

 インプットの手法である「アプリを使って学習を継続してもらう」という視点でも、他の研修手法に比べて非常に高い継続率が出ており、企業内ユーザーの脱落が少ないことも導入企業から評価いただいていることは強調しておきたいです。ただ、「アプリで得た知識を実践で活用し、個人の成功体験や事業の成果につなげる」という、インプットの先にある活用支援の目線の強さこそが、私がグロースXに深く関わることで創造できる価値であり、当面注力していくポイントになっていくと思います。

 わかりやすく下世話に言えば、我々のサービスではヒト(人材)を育てるだけでなく、モノ(すぐれたマーケ施策の企画)が量産され、カネ(成果)を生み出すことにつなげたい。さらに欲張っていえば、知識を得て成果を出せるようになった導入企業ユーザーの個人の方が、自己肯定感を持てて、自分のことをさらに好きになったら最高ですよね。実際にそういうユーザーの声に触れたとき、私もけっこう感動しました。

――業績への影響まで見据えてサービスを設計されているのは、経営層の方に刺さりますね。

山口:経営層の方々が教育投資に猜疑心を持つ最大のポイントは、学んだことが何に活かされているのかがわからないことです。投資をしていただいているので、社員および組織の成長に加えて、最終的に業績にインパクトがあると実感してもらえたら最高です。

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顧客の成功を起点にしたマーケティング

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39140

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