ヤマハは7月4日、スマートフォンアプリと共生する新しい音楽デバイスのプロトタイプ「Stepping Out of the Slate」をWebサイト上で公開した。
近年、新しい音楽体験や音楽アクセサリーがスマートフォンアプリの形で提供されるようになった。一方、ヤマハは、タッチパネル操作では満たされない実質的で身体的なインタラクションへの憧れが現代でもまだあると感じている。
そこで、今回のプロトタイプではあえて物理的な操作が必要なデバイスと共にアプリを使用するスタイルをとることで、タッチパネル操作だけでない、音楽との身体的な関わり方を提案している。
これらのプロトタイプは「音楽がどのように流れ始めると心地よいか?」という切り口で考察をされ、4つの仮説を提示している。また、いずれも動作するものとして作り上げられ、実際の使用感を検証できる。
今回発表されたプロトタイプは以下の通り。
TurnT
こちらはスマートフォン用のターンテーブル。本体上に置いたスマートフォンの画面をレコードの盤面に見立て、画面に針を落とすと演奏が始まる。アルバムを入れ替えたり、針を落とす位置を変えたりすることで、楽曲を変更する。「針を落とす」という物理的な動作によって、持ち主が音楽と過ごす時間を盛り上げる。
Winder
オルゴールのように曲を流すための専用のキー。キーを巻き上げると、スマートフォンから楽曲が流れ始める。内部にあるゼンマイの回転ムラに応じた音揺れが生成され、特有の音の質感を楽しめる。機械仕掛けのオブジェを使用することで、音楽体験をより親密なものとする。
MusicLight
こちらは音楽に耳を傾けるためのキャンドル。キャンドルに火を灯すと、スマートフォンアプリが音楽を流し始める。炎の揺らめきに合わせて音のニュアンスが微かに揺れ、炎を吹き消すと僅かな余韻を残して音楽が停止する。「焚火を囲んで音楽を聴くような豊かな時間」をコンセプトとしている。
RhythmBot
こちらは演奏をリズムでサポートする、メトロノームの進化形を目指したデバイス。小さな4種のロボットが、電子音に頼らないアコースティックなメロディを演奏する。スマートフォンアプリと連携して、ユーザーが演奏するテンポに合わせてリズムを刻み、リアルタイムで合いの手を入れることもできる。「セッションのようにリズムを作り出すことで、クリエイティブな演奏体験をもたらす」がコンセプト。