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Tiktok最前線

クリエイターとコラボレーションを行う際、気をつけたいこととは?──クリエイターエコノミーという潮流

 最終回となる今回は、TikTokから少し派生して「クリエイターエコノミー」という潮流や「クリエイターとコラボレーションする方法」について解説したいと思います。

クリエイターエコノミーという潮流

 前回の記事では「TikTok売れ」について解説をしました。このようなムーブメントを引き起こしている主体者は、企業ではなく一般ユーザーあるいはクリエイター(インフルエンサー)です。

 呼び方に議論がありそうですが、ここでは彼らが本質的にやっていることは「コンテンツクリエイト」で、結果として「インフルエンス」を得た、という理解から「クリエイター」と呼びたいと思います。

 今回は最終的に「クリエイターとコラボレーションする方法」について解説するのですが、なぜ理解する必要があるのかを話させてください。

 私たちが「クリエイターとコラボレーションする方法」を学ぶべき理由は、クリエイターの販促力がより重要になってくるからです。人は「人そのもの」から影響を受ける社会的な生き物です。具体的な人格を持った実在する「人」の影響力が一番強く、その強さはTVやSNSなど「媒体」の持つ影響力を凌ぎます。

 「人」の影響力によりフォーカスしたものが、クリエイターを起点とした経済圏である「クリエイターエコノミー」の概念です。インターネットサービスによって制作や表現が民主化され、かつ媒体がマスメディアから分散した結果、影響力が「個人(クリエイター)」の手に戻されつつあるのです。

 クリエイターエコノミーについては、一般社団法人クリエイターエコノミー協会が公開しているこちらの動画などが非常に参考になると思います。

 こうした時代で、マーケターは販促の文脈で戦略を考えるには、媒体の活用と同じくらいの優先度でクリエイターの影響力の活用を考える必要が出てきました。つまりメディアプランニングならぬクリエイタープランニングを考えることが求められると言えるでしょう。

クリエイターとコラボレーションするには

 クリエイターとコラボレーションするために大切なスタンスは大きく2つあります。ひとつ目が、クリエイターの権利を理解し守ること。ふたつ目が、自社のブランドや利益を守ることです。

 クリエイターを起用したマーケティング活動は、誕生して間もないこともあり、ガイドラインやマナーがまだまだ未整備な状態です。こうした中、互いの権利を理解せずに進行してしまうケースは少なくありません。

 重要なのは、クリエイターと広告主の双方が自身の権利を守り恩恵を受けられる状態を目指すことです。具体的なポイントを説明しましょう。

 ポイントの1つ目が、案件可否を丁寧に行うことです。

 クリエイターは、YouTubeやInstagram、TikTokなどを通して自身の表現活動を行い、結果として影響力を得たのであって、企業案件を受けることを目的にしていることはほとんどありません。

 また、それぞれにパーソナリティや価値観やブランドイメージを大事に育んできた人たちです。したがって、彼らには「自身のやりたくない案件を拒否する権利」があります。ゆえに、コラボレーションを持ちかけるときには断られる可能性を考慮することが重要です。

 クリエイターには、「なぜあなたにお願いしたいのか」「あなたにとってどのような利益があるのか(金銭的・社会的報酬など)」を伝えて、案件に関して丁寧にすり合わせを行っていきましょう。

 注意すべき点は、代理店や事務所を介するときです。案件可否について、クリエイター本人の言質を確認できるまでは、案件実施は決定されていない認識を持つことが必要です。

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この記事の著者

朝戸 太將(アサト ダイスケ)

 東京大学を卒業後、リクルートキャリアを経てNateeに創業メンバーとしてジョイン。創業期よりTikTok事業の統括を務め、広告主の認知や購買促進など多様なニーズに対してTikTokを軸としたソリューションを提供し続けてきた。2020年末には「TikTok For Business Award」でブロンズ賞を受賞す...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39655

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