リモートワークでいっそう広がったユーザーの輪
――Notionの強みはどういった部分でしょうか。
「オールインワン」と「カスタマイズ性の高さ」です。世の中にはたくさんのツールが溢れるようになり、Okta社の調査によると企業は平均89個のアプリケーションを使っています。ツールによって業務が便利になっている反面、必要な情報を見つけられないといった弊害も生まれている。そんな中Notionは、さまざまなツールの入り口をNotionに集約する役割を果たすことができることも大きな特徴です。たとえばクリエイターの方は、FigmaやMiroなどのコラボレーションツールを使っていることもあるかと思います。ツールをNotionに置き換えるのではなく、そういったツールの入り口としても使っていただくことができます。
2点目の特徴は、フレキシブルさを突き詰めていること。Notionというひとつのツールの中でドキュメントやプレゼンテーションなどさまざまなアプリを呼び出すことが可能です。こういった、自分の置きたい場所に配置できる自由度の高さが、ユーザーからも好評をいただいています。
――昨年2021年10月に日本語ベータ版を発表されましたが、実際の反響はいかがでしたか?
日本語化する前から日本のユーザーはかなり多かったのですが、もともと使っていただいていたようなスタートアップだけでなく、さらに大きい規模のエンタープライズ企業が利用するケースなど、ユーザー層がいっそう広がりました。
同時に、ユーザーコミュニティ自体の数もそれに参加するメンバーも増加しています。Notion京都やNotion東京といった地域ごとのコミュニティがもともと3~4つあったのですが、今は多様なコミュニティが増え、地域ごとのコミュニティとあわせて全部で16になりました。
日本法人の設立や日本語対応はコロナ禍での取り組みになりましたが、やはりリモートワークの普及によってNotionの利用が加速した感覚はあり、実際にユーザー数も増え続けています。ただ、ユーザーさんにインタビューすると、リモートワークになったからという理由だけでNotionを新しく導入したケースはそれほど多くない。もともと使っていた人たちを中心とした輪が、リモートワークによってより広がってきたという印象です。

現在のユーザーの職種で言えば、日本でも海外でももっとも使われているのは、エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナーの3つ。いわゆるデジタルプロダクトの制作に関わっている方々です。もちろんそれ以外の職種でも使っていただいていますが、コアユーザーは上記の3職種になります。