Notion活用は「身近な困りごとの解決」から
――クリエイティブにまつわる領域で、印象に残っている活用事例はありますか?
デザイナーと企業を結ぶクラウドソーシングサービス「JOOi」を提供するLIBASEさんは、Notion上にデザイナーさんのポートフォリオデータベースを作成し、それをクライアント企業に見せながら提案をしているそうです。
また、eラーニングプログラムを開発している会社で、学習データベースとしてNotionを活用している例もあります。1つひとつのeラーニング講座をNotion上のデータベースに作ることで、そこに招待された生徒がNotion上でカリキュラムを勉強していくようなサービスです。Wikiやタスク管理の用途で使う企業さんも多い中、データベースとして活用している点がとても興味深い事例です。

ユーザーさんからは「Notionの正しい活用法を学びたい」といった声もいただきますが、Notionに正しい使いかたというものはありません。Notionを高度に活用することが大切なのではなく、あくまで自分がやりたいことをやることが目的ですので、身近な困りごとの解決から始めてみると良いのではないでしょうか。「この説明いつもみんなにしているな」、「このロゴの置き場所よく聞かれる」といった、日常業務で繰り返し起こっていることをまずはNotionで共有できるようにする。そういった積み重ねが、より良い活用につながるのではないかと思います。
――クリエイターがNotionを使ってプロジェクトを進めたり、いろいろな職種のメンバーとコラボレーションをする際のポイントはありますか?
僕がNotionに入社したとき、Wikiも議事録もタスクもすべてがNotion上に書かれていたのですが、そのページを見にいけば誰かに聞かなくてもわかることを体感すると、私自身もNotionにしっかり残すようになる。このサイクルを生み出すのが、上手く活用するためのポイントだと思います。
Notionの場合、弊社のベストプラクティスをすべてまとめた「コミュニケーションプレイブック」が用意されており、適切なコミュニケーションの基準や必要な情報などが共有されています。組織として活用のガイドをざっくりとでも定義できていると、コミュニケーションが格段に取りやすくなると思います。
そこで重要なのは、やはりNotionを使うことがゴールではないということ。企業のミッションやバリューがあって、それを達成するためにこういったコミュニケーションをする。そのためのツールとしてNotionがあるのだという認識を、それこそNotion上にドキュメンティングしている企業さんが上手く活用できているように感じます。