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サイト訪問数最適化で登録数を約12倍に!エン・ジャパン「AMBI」の最新Twitter広告活用術

 Twitterは2022年1月、広告配信の新たな手法としてサイト訪問数最適化をリリースした。今回は新手法を導入し、若手ハイキャリアのための転職サイト「AMBI(アンビ)」の会員獲得数を12倍にまで引き上げたエン・ジャパンにインタビュー。サイト訪問数最適化を導入した背景や運用での工夫、今後の展望などを伺った。

若手優秀層をターゲットに据えた転職サイト“AMBI”

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずはエン・ジャパンのAMBIがどのようなサービスか教えてください。

田渕:AMBIは、若手ハイキャリア向けの転職サイトです。若手優秀層にターゲットを絞り、掲載している求人も他の転職サイトには掲載されていないようなものを厳選しており、『高いポテンシャルを持つ若手の「志」に火を灯す。』をコンセプトに運営しています。

エン・ジャパン株式会社 デジタルプロダクト開発本部 デジタルマーケティング部 プロモーショングループ 田渕 日南人氏
エン・ジャパン株式会社
デジタルプロダクト開発本部 デジタルマーケティング部 プロモーショングループ
田渕 日南人氏

八ツ田:また、転職活動に役立つ機能として応募前にその企業への書類選考の通過可能性ががわかる合格可能性診断や、キャリアタイプ指向性や職務適性が把握できるジブン分析を提供しています。これらの機能によって、自身の市場価値を理解する場としても活用いただけます。

田渕:AMBIで行っているハイクラス人材の転職マーケットは、今後非常に伸びていくとされています。エン・ジャパンではAMBIを今後の注力事業の一つと位置付け、中期経営計画では売上を5年で3倍という計画を立てています。

MZ:では、AMBIにおいて、Twitter広告はどういった役割を果たしているのでしょうか?

田渕:AMBIの登録者数増加を目的にTwitter広告を活用しています。獲得単価を低く保ちながら一定の登録数を得られていたため、費用対効果に見合った重要な接点の一つと捉えています。

配信ボリュームの課題解消に向けて、サイト訪問数最適化を導入

MZ:元々Twitter広告を高く評価している中で、サイト訪問数最適化の導入に踏み切った背景を教えてください。

八ツ田:先ほどもお伝えしたようにTwitter広告のパフォーマンスは評価していたものの、配信ボリュームが少なくなってしまう傾向がありました。さらに獲得数を伸ばしていくには、現状の配信方法だけでは難しいと考えていたことが背景にありました。

 そのため、配信ボリュームを拡大しながら、獲得数を増加させるためにサイト訪問数最適化の導入に踏み切りました。

MZ:Twitter Japanの飯澤さんにお聞きしますが、サイト訪問数最適化とはどういったものなのでしょうか?

飯澤:サイト訪問数最適化とは、2022年1月にリリースされた、新しい広告配信の手法です。お客様のWebページにTwitter独自のタグを設置していただき、タグを設置したページに訪れる利用者の属性を学習します。その学習データをもとにWebサイトに訪問してくれそうなTwitter利用者に広告配信を最適化します。

MZ:Twitter Japanからエン・ジャパンに対し、サイト訪問数最適化の導入を提案されたのでしょうか?

飯澤:そうですね。エン・ジャパン様には、このプロダクトのベータ版が完成してすぐにご案内いたしました。以前からAMBIの課題感を聞いており、サイト訪問数最適化なら十分に効果を発揮するだろうと考えていました。

Twitter Japan株式会社 Twitter Client Solutions 戦略パートナー担当 クライアントアカウントマネージャー 飯澤 江利氏
Twitter Japan株式会社
Twitter Client Solutions 戦略パートナー担当 クライアントアカウントマネージャー
飯澤 江利氏

転職顕在層と潜在層それぞれに適した広告を配信

MZ:実際の運用では、どのような施策を行っていったのでしょうか?

八ツ田:転職を考えている顕在層、転職を考えていない潜在層の2つの層に対し、サイト訪問数最適化を活用して広告を配信しました。クリエイティブもそれぞれの層に合わせたものを制作していきました。

エン・ジャパン株式会社 デジタルプロダクト開発本部 デジタルマーケティング部 クリエイティブグループ 八ツ田 穂波氏
エン・ジャパン株式会社
デジタルプロダクト開発本部 デジタルマーケティング部 クリエイティブグループ
八ツ田 穂波氏

八ツ田:顕在層に対してのプロモーションでは、掲載されている企業名を記載したクリエイティブを採用し、潜在層に対してはジブン分析を訴求するクリエイティブを用いました。

 また何度も実証実験を重ね、効果のあるクリエイティブや、よりパフォーマンスの高いターゲティングを検証していきましたね。

 ターゲティングに関しては、転職関連やトレンドに関するキーワードを使ったキーワードターゲティングと、ビジネスニュースや転職の豆知識などを発信しているアカウントをフォローしている利用者にアプローチするハンドルターゲティングを活用しました。

MZ:Twitter Japanの澤田さんは配信の際、どういったフォローをされたのでしょうか?

澤田:今回の事例に限らず、エン・ジャパンの皆さんとは毎月定例会を行っており、その時々の打ち手を模索しています。

 定例会の中でエン・ジャパンさんの課題が登録単価であること、そしてサイトを訪問した後の工程に改善の余地があるということを伺っていました。

 新しいプロダクトであるサイト訪問数最適化は、エン・ジャパンさんのように登録単価を下げていきたい、より質の高い利用者にアプローチしていきたいといった課題に対して有効なプロダクトです。そのプロダクトが最大限活用いただけるよう「どういった利用者を最適と定義するのか?」「サイトのどこにタグを埋めるのか」などを、代理店の方も巻き込みつつ調整していきました。

会員獲得数が約12倍に

MZ:今回の取り組みで得られた成果について教えてください。

八ツ田:今回の取り組みによって、CPMは取り組み前と比較してマイナス3%低下し、配信ボリュームも増加しました。また、登録単価は取り組み前とほぼ変わらず、Twitter経由での会員獲得数は、約12倍に増加しました。特に今回の取り組みでは、潜在層向けの広告が高いパフォーマンスを発揮していました。

田渕:この成果は他の媒体と比べても高い数値で、本当に驚いています。配信ボリュームが少ないという課題を払拭して予算を増額できた。このパフォーマンスなら、予算分以上のリターンも期待できます。サイト訪問数最適化はとても素晴らしいプロダクトですね。

MZ:Twitter Japanでは、今回の成果をどう受け止めていますか。

澤田:我々から見ても、エン・ジャパンさんの取り組みは大成功と言える結果になりました。日本でサイト訪問数最適化を最も有効的に活用いただいたクライアントといっても差し支えないかと思っています。

 グローバルで比較した際にも、パフォーマンスの伸び率はTOP5にランクインするほどで、全社的に成功事例として認識されています。

変数を変えずに検証したことが成功要因に

MZ:今回の取り組みを通して、どのような学びや気づきが得られましたか。

八ツ田:新しいサービスの導入となると、リスクを懸念しなかなか導入に踏み切れないケースがあるかと思います。しかし、実際に運用してみなければわからないことがほとんどです。私たちの部署ではその考えのもとチャレンジを推奨しているため、今回のサイト訪問数最適化もスムーズに導入・活用を実現できました。

 結果として予想以上の成果を上げることができたので、改めて挑戦することの大切さを実感しました。

澤田:検証の際に変数を変えないことの大切さを学びました。今回の取り組みでは、「サイト訪問数最適化が本当に効果的か?」の検証を行うため、ターゲットやクリエイティブなどを変えずに、配信方法だけを変え、パフォーマンスを比較していったんです。

 結果、初動からサイト訪問数最適化のパフォーマンスが高いことが判明しました。予算を投下するための検証ができたからこそ、素晴らしいパフォーマンスが生まれたのだと思っています。

Twitter Japan株式会社 Twitter Client Solutions 戦略パートナー担当 クライアントパートナー 澤田 彬氏
Twitter Japan株式会社
Twitter Client Solutions 戦略パートナー担当 クライアントパートナー
澤田 彬氏

今後は認知などの上位ファネルでもTwitter広告を活用

MZ:最後に今後の展望を教えてください。

田渕:今回大きな成果が得られたので、今後も配信を強化していく予定です。また、Twitterはブランド認知にも効果的な媒体だと思っています。そのため、AMBIを使っていただきたい利用者や企業に対する認知・ブランディングにつながる広告プロダクトの活用も検討していきたいです。

MZ:Twitter Japanの澤田さんはいかがでしょうか?

澤田:サイト訪問数最適化がリリースされるまで、エン・ジャパンさんとは、課題に対して七転び八起きで様々な取り組みを行ってきました。なかなか最適なソリューションに辿り着けませんでしたが、今回のサイト訪問数最適化で成功例を作ることができ、とても良かったと思っています。

 今後も新しいプロダクトが出た際は、エン・ジャパンさんの課題と照らし合わせ積極的にご提案し、トライアンドエラーを繰り返しながら、より良い成果を生み出すお手伝いをしていきたいです。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/27 20:50 https://markezine.jp/article/detail/39889