自由なお茶の楽しみ方を広めるのがミッション
──まずは越智さんのご経歴を教えてください。
新卒で入社した電通に20年務めた後、2021年4月にゴンチャへ入社しました。当初は事業戦略推進本部長として入社しましたが「事業戦略=ブランド戦略=コミュニケーション・マーケティング戦略」という考えに基づき、2022年1月からCMOを務めています。
──ゴンチャ ジャパンが展開するティーブランド「ゴンチャ」ついて紹介いただけますか。
ゴンチャは2006年に台湾・高雄で生まれたお茶のブランドです。「Brewing Happiness(幸せを淹れよう)」をパーパスに掲げています。台湾からシンガポールに進出し、韓国で店舗数を大幅に拡大。日本では2015年に第一号店を出店しました。現在はグローバルで約1,800店舗を展開し、日本では123店舗を運営しています。
当社のこだわりは、厳選された高品質の茶葉を使用し、店舗で丁寧に抽出しているところにあります。お茶の味わいや香りにこだわり、湯温や抽出時間を茶葉ごとに変えているんです。また新鮮なお茶をお客様にお届けするため、4時間以内に抽出したものだけを提供しています。
日本はお茶の文化に馴染みが深いものの「お茶=無糖」「座敷に座って飲むもの」という風に、イメージが固定化されています。一方で、アジアのお茶文化はとても自由。ミルクや砂糖のほか、フルーツを入れても良いんです。自由なお茶の楽しみ方を、ゴンチャが日本に広めていきたいと考えています。
タピオカ店のイメージを払拭し店舗数を拡大
──ゴンチャは2018年に日本で巻き起こった空前の「タピオカブーム」で一気に注目を集めました。ブームが落ち着いた矢先にコロナ禍が到来。外食産業は大きな打撃を受けました。この4年間で、ゴンチャ ジャパンのビジネスはどのように変遷したのでしょうか。
前提として当社はティーブランドであり「タピオカはお茶を楽しむための1アイテム」という考えを持っています。しかしながら2018年にタピオカブームが到来し、我々の望むと望まざるとにかかわらず「ゴンチャ=タピオカ店」というイメージが醸成されました。
特に苦しかったのは、タピオカブームが落ち着きコロナ禍に突入した2020年ですね。来店数や売上が低迷し、店舗の営業がままならない日も。鮮度にこだわって厳しく管理しているからこそ、茶葉のロスは免れませんでした。
タピオカ店のイメージ払拭とV字回復の戦略を描いた結果、2022年10月末時点で2019年の倍以上にあたる123まで店舗数を伸ばすことができました。2021年以降は来店者数も持ち直し、2023年はタピオカブームが起こった2019年の客数を超えると予測しています。