※本記事は、2022年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』82号に掲載したものです。
テレビCM実施時の3つのミッション
株式会社TOKIUM ビジネス本部 インサイドセールス部 部長 大野裕太郎氏
1997年北海道にて誕生。小学生からは広島に移り、大学生期間は関西で過ごす。立命館大学卒業後、2019年に新卒で人材派遣会 社に入社するも4ヵ月で転職を決意し、2019年12月TOKIUMに入社。インサイドセールスチーム配属後、イベントマーケティングやフィールドセールスの兼任を経てマーケティング部副部長として活動。2022年9月より新設されたインサイドセールス部 部長に就任。
TOKIUMのインサイドセールス部は2022年9月に新設されましたが、以前はマーケティング部の配下にインサイドセールスチームが紐づいていました。
当時、マーケティング部副部長だった私の主な任務は、「インサイドセールスチーム」「新規開拓・イベントチーム」「デジタル、マス広告施策を担うチーム」をつなぐことでした。
そんな折、TOKIUMにとって初めてのテレビCMプロジェクトが始動しました。そのとき掲げていたミッションは3つありました。
- テレビCMの効果をアウトバウンド型の施策と掛け合わせて最大化する
- テレビCMが実際の商談につながっていることを可視化する
- 大幅にリードが増えた場合に備えて体制を強化する
テレビCMの効果をアウトバウンド型の施策と掛け合わせて最大化する
テレビCMの実施はTOKIUMとして初めての取り組みだったため、社内に知見はありませんでした。ですので、バックオフィスSaaSを提供している企業、かつテレビCMを実施した実績を持つ企業のマーケターの方々にアドバイスをいただけるように働きかけました。
具体的にどのような施策を実施したのか、テレビCMを実施する前に準備したことなど、具体的にすべきことをヒアリングしながら、下記の3つの施策を重点的に実施することを決めました。
- エレベータ広告
- ダイレクトメール(タレントクリエイティブを活用したチラシ、導入事例をまとめた冊子)
- アウトバウンドコール
テレビCM開始から数日期間を空けてから上記3つの施策を掛け合わせて実施することで、テレビCMでサービス名を認知した方々に効果的にアプローチできると仮説を立てて、準備を始めました。
TOKIUMが提供するサービスは、検討期間が長く、全社員を巻き込むサービスになるため、テレビCM施策実施にともない、顧客が下記のような心理的障壁を抱く懸念がありました。
- 認知が上がっても検索や問い合わせといった行動に移しづらい
- サービス内容は良いと感じても実績や事業継続性に不安がある
- 知らない、効果もわからないから聞きたくないし面倒
こうした懸念を払拭し、短期間で理想的なカスタマージャーニーを進めていくために、「エレベータ広告」「ダイレクトメール」「アウトバウンドコール」の施策でテレビCMのメッセージを補完することにしました。
ただ、実行に移す際は、施策内容にグラデーションを持たせて、スモールスタートで開始しました。弊社の許容できる商談獲得単価、平均単価などをもとに判断基準を複数設定し、リスクヘッジしつつもスピード感を持って意思決定ができる状態にしていました。
結果としては、アウトバウンドのみでアプローチしていた企業と比較して、3つの施策を掛け合わせてアプローチした企業においては、商談獲得やその後の進み方の歩留まりも約3倍になりました。この結果をもとに、予算をさらに確保し、テレビCM出稿時はもちろん、年間を通してこれらの施策を続けることを決定しました。