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「行動×意識」で見えてくる生活者の欲求 博報堂生活総研のデジノグラフィ研究事例

支出シフトの背景にある意識

 酒井氏は意識調査の結果を基に「交際→住設備」「アウトドア→コンテンツ」「リフレッシュ→美容」といった支出のシフトをした人は、裏側にどのような意識や価値観があるのかも解説した。

 まず、住設備への支出が増加した人には「何かに属していることによる自信がある」「情報処理能力が高い」傾向があることがわかった。彼らは拠り所だった飲み会やアクセサリーの消費がしにくくなり、次の拠り所として家の中の設備の充実に動いたようだ。

 コンテンツへの支出が増加した人の意識には「欲しいものを買うためなら生活の何かを削る」「将来に備えるより今をエンジョイするタイプ」という傾向があった。アウトドアから漫画、ゲームなどにシフトした人は、今を生きる“リア充”な人たちだった、ということだ。

 最後に、美容への支出が増加した人は「お金は使わないと幸せになれないと思う」「多少値段が高くても後悔しないものを買う」といった“自分にご褒美をあげたい”消費意欲の高い人々だった。

 現在、行動制限の緩和でコロナ禍で行った支出のシフトに揺り戻しが起こっている。しかし、完全に以前の状態に戻るというよりは、この分析で見えてきた拠り所の確保、今の充実、自分へのご褒美といったベースの意識の上で、2つの市場は混ざり合っていくことになるだろう。

生活者発想で“行動”のその奥へ、その先へ

 このような行動と意識を繋げた分析に、生活総研では様々なテーマで挑戦している。見つけ出したいのは、本人も自覚していない行動と意識のつながりだ。人は必ずしも合理的な存在ではなく、周りから見ると、ときに矛盾したふるまいを見せることも多い。同じ行動を繰り返していたり、あるいはその行動を突然止めたり、変化させたりする裏側には、無自覚ではあってもきっと何らかの意識が隠れている、というのが同研究所の考えだ。

 今後もデジノグラフィの発展が期待される。

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この記事の著者

西原 小晴(ニシハラ コハル)

 京都府立大学農学部出身。前職は大手印刷会社にて化学物質管理のシステム開発&管理者。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のライティングを行う。現在はリードナーチャリング、セールスライティングをメインとするマーケターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40385

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