ワクワクする体験を創る、お花のサブスク
磯山:「ブルーミー」は、定期的に季節の花が届くお花のサブスクリプションサービスです。2016年6月のローンチから約7年が経つ同サービスですが、現在の会員数とブランドの特徴を教えてもらえますか。
戸口:アクティブな有料会員の数は10万世帯以上、特徴はワクワク感とサプライズ感です。たとえば、届く花はあえて選べないようにしています。また、箱をペリペリ開けるのも子供がプレゼントの箱を開けるのをイメージして設計しました。
磯山:そういうユーザー体験は、ミッションの「ユーザーさんの、うれしいを創る」にも通じる部分ですね。
戸口:そうですね。2022年1月に変更した新しい社名「ユーザーライク」も、このミッションを体現しています。
磯山:ブランド名と同じ社名にする会社さんも多いじゃないですか。「ブルーミー」を社名にする考えはなかったんですか?
戸口:選択肢としてはありました。ブランド名を社名にすると、PRコスト・説明コストが下がるのはメリットですよね。「あのサービスの会社だよね」と認知してもらえるので。
でも同時に、ブランドと会社の認知が同一になってしまうのはデメリットでもあります。たとえば、採用で欲しい人材と顧客としてターゲットにする層は違います。ブランドのイメージで応募してもらってもミスマッチが起こってしまいます。
どんな社名にしてもそれぞれメリット/デメリットはあります。僕らが大切にしている価値観やなすべきこと、つまりミッションに立ち戻り、いくつかの候補の中から「ユーザーライク」に決めました。
プロダクトを中心に「うれしい」が広がっていく
磯山:ブルーミーのサービスやブランドを通して作りたい世界観はどんなものですか?
戸口:ミッションの「うれしいを創る」を1段階具体化して、「日常の中でうれしいを創る」がブルーミーというブランドです。できる限り手軽に、できるだけ多くの人に分け隔てなく提供できるサービスにしています。
磯山:日常を彩るスパイスみたいな。
戸口:ブルーミーがあると生活がうれしい、と思ってもらえたらいいですね。実際、花が話のきっかけになって家族のコミュニケーションが増えるというケースは結構あるようです。
他にも、ポストに届いているのを見てうれしいとか、開ける瞬間に子供が喜んで、それを見たお母さんもうれしいとか。自身の住所以外にも送ることができるので、実家に送って、届いたら「今週はこういう花だったよ」と写真が送られてくる、みたいな話も聞いています。
プロダクトを中心にユーザー体験が拡張されて「うれしい」が増えれば、それがプロダクトの価値の総量になると思います。
磯山:プロダクトがあることによってコミュニケーションが生まれ、ブルーミーのミッション「日常の中でうれしいを創る」がプロダクトを介して周囲にも広がっていく。それはまさにプロダクトの価値ですし、ブランド体験の設計が秀逸ですね。
戸口:サービスは大きく分けると「負の解決」か「快を増やす」の2つにわかれますが、僕らのミッションは「快を増やす」側です。生活の中で快を増やすプロダクトを社会実装するための手段として、花はすごくいいんです。
だから、花のサブスクを手段として「うれしいを創る」というミッションに取り組んでいます。