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人を動かす言葉の作り方 言葉のプロが提唱する「信号機の法則」とは?【お薦めの書籍】

 「人を動かす言葉」「売れる言葉」を自分で作り出すスキルは、マーケティングのあらゆる施策において、ビジネス全般においても非常に重要です。本記事では、人を動かす言葉の作り方を、数々の受賞歴を持つコピーライターが解説する書籍を紹介。私たちにとって身近な「信号機」に当てはめて説明する、言葉の法則とは?

言葉のプロが人を動かすための信号機の法則を解説

 今回紹介する書籍は『ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則』。著者はコピーライター/クリエイティブディレクターの堤藤成氏です。

画像を説明するテキストなくても可
ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則
堤藤成(著) ぱる出版 1,540円(税込)

 堤氏は新卒で電通に入社し、クリエイティブ、デジタル、プロモーションの部署を経てマレーシアのELM Graduate SchoolでMBAを取得。現在はスタートアップのフェズにてクリエイティブ・ディレクターとしてオランダと日本を行き来しながら活動されています。カンヌライオンのGOLD、宣伝会議Advertimes第1回コラムニストグランプリなど、多数の受賞歴がある人物です。

 本書では言葉のプロである堤氏が、人を動かす言葉、人が買いたくなるような言葉の作り方を解説しています。

 そもそも私たちの日常生活において、「言葉」と関係ない人はいません。仕事で考えても、メールや企画書をはじめ、日誌、マニュアルやSNS等、様々な場面で言葉を使います。堤氏は言葉を「音と形を通じて、意思を伝える方法」と定義し、次のように本書の背景を示しています。

「言葉が信号(シグナル)であるならば、「言葉で人を動かす」ための原理原則は、『信号機』から学べるのではないか?」(P.19)

 では信号機に学んだ原理原則とは一体どんなものでしょうか?

売れる言葉は「とどめる赤」「すすめる青」「きになる黃」の3つで理解

 堤氏は人を動かすのに優れた言葉が、信号機の赤、青、黄色に合わせて3つの用途に分けられるという法則を見出し、下記のように説明しています。

  • 「とどめる赤」=困りごとを抱えた相手に振り向いてもらうための言葉
  • 「すすめる青」=相手に価値を感じ、変化を感じてもらうための言葉
  • 「きになる黄」=迷っている相手が踏み出すための理由をつくる言葉(P.33)

 堤氏がコピーライティングにおいて重要とするのは「どうやって人に『売る』か、ではなく、どうやって人を『うるおす』か、を考え抜くこと」。これらの3つの原則は、困っている誰かの目にとめてもらい、望ましい未来に進んでもらうための言葉だと述べています。

 本書では、人を「うるおす」言葉への理解を促す解説が豊富です。世に知られている代表的なコピーが多くの人を動かすことができた理由を、「言葉の信号機の法則」に基づいて分析、解説しており、顧客視点の言葉の考え方がわかりやすく理解できます。

キャッチコピーづくりに重要な「ユーザーの不」とその見つけ方

 本書は、良い言葉への理解を促すだけでなく、上記の原則に基づいたキャッチコピーの作り方を具体的に説明しているのも特徴です。

 たとえば「とどめる赤」に基づいたキャッチコピーを作る場合については、伝える相手が持つ困りごと、つまり「不」に着目することが重要です。そこで「不」そのものを正しく捉えるための方法として「不不不のフィールドワーク」が紹介されています。

 これは、オンラインでもリアルでもとにかく徹底的に「観察」をし、ユーザーが「不」に感じている部分をインプットする手法で、これによって「ユーザーの不」の解像度を上げることができると堤氏は説明しています。

 本書は全5章の構成。第2章では「とどめる赤」の法則とキャッチコピーの作り方、第3章では「すすめる青」の法則とタグラインの作り方、第3章では「きになる黄」の法則とCTA(Call to Action)の作り方を解説しています。人を動かすような言葉がなかなか思い浮かばない、言葉に苦手意識があるという方はぜひ読んでみてください。

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/41109

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