Yahoo!広告の知識が体系的に身に付けられるYahoo!広告 キャンパス
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずYahoo!広告 キャンパスとは何か教えてください。
座間:Yahoo!広告 キャンパスとは、Yahoo!広告について体系的に学べる無料のオンラインプログラムです。
ヤフーでは以前、Yahoo!プロモーション広告 プロフェッショナル認定試験を提供していましたが、こちらの認定試験は、以前の広告商品である「Yahoo!プレミアム広告」と「Yahoo!プロモーション広告」がYahoo!広告に統合されたため提供を一時停止しておりました。
しかし、多くの方から「認定試験を復活させてほしい」というご要望をいただきました。私たちは、単純に認定試験を復活させるだけでなく、日常的にYahoo!広告について学習できる環境を整えたいと思い、Yahoo!広告 キャンパスをリリースいたしました。
Yahoo!広告 キャンパスは無料で学習と試験が同じオンラインプラットフォームで行えます。そのため、自分のペースで学習できるのが特徴です。以前より、広告主・代理店の皆さまからご要望が多かった「無料化」「オンライン化」「試験対策コンテンツの拡充」を反映し、それを実現したものとなっています。
MZ:Yahoo!広告 キャンパスの受講のメリットはどういった点がありますか?
座間:Yahoo!広告 キャンパスの受講メリットとしては、大きく3つ考えています。
1つ目は、「スキルが明示できる」こと。認定試験に合格すると、認定ロゴと認定証が授与され、ご自身や自社の社員がYahoo!広告に関する一定の知識・ノウハウを持っているという証明になります。認定ロゴはウェブサイトや個人の名刺にいれることが可能です。
2つ目は、「自分のペースで学べる」こと。オンラインで提供されているため、いつでもどこでも好きなタイミングで学び、認定資格を受験することが可能です。スマートフォンでも利用できるので、隙間時間にアクセスいただき、ご自身のペースで学習を進めていただけます。
また、学習コンテンツと認定資格試験のいずれも無料で、誰でも気軽に学習を開始、継続することができます。
3つ目は、「Yahoo!広告に関する知識を体系的に学べる」こと。広告運用に関する知識やノウハウを自分で調べて学ぶと細切れになってしまうという課題がありました。Yahoo!広告 キャンパスでは、初心者向けのインターネット広告の基礎知識から、Yahoo!広告の運用ノウハウや広告管理ツールの知識といった最新情報までを体系的に学べる学習コンテンツと認定資格試験で構成されています。
座間:すでに広告運用の経験があり知識の土台がある方は、試験で間違えた問題を再学習して知識をアップデートする。また、広告運用の場から離れてしまって暫く時間が空いているような方でも、最新情報や運用手法をひととおり理解する。未経験・経験の浅い方は広告運用の土台体系的な知識を身に付けて試験を受ける。そういった環境を提供したいと考え、Yahoo!広告 キャンパスを設計しました。
電通デジタルから見た、Yahoo!広告の強み
MZ:続いて、Yahoo!広告 キャンパスを社員教育に活用されている電通デジタルのお2人にお話をうかがいます。まず、様々な広告プラットフォームを取り扱う電通デジタルから見て、Yahoo!広告の強みとはどのようなことだと思いますか。
櫻井:Yahoo!広告の強みは、ヤフーやグループ会社が展開している様々なサービスの広告掲載面に対し配信できること、そしてそれらのサービスの利用ユーザーのインサイトに基づいた、質の高いマルチビッグデータをマーケティング施策に活用できる印象があります。
Yahoo!広告を活用すれば、Yahoo!ニュース、LINE、Yahoo!乗換案内アプリをはじめとする100近いサービスの広告掲載面に配信できます。また、ヤフーではこれらのサービスの閲覧、決済、検索、購買に関するデータを保有しています。そのため、ユーザーの生活シーンに合わせて最適な広告を配信できます。
MZ:では、電通デジタルがYahoo!広告 キャンパスを社員教育に活用している理由を教えてください。
三野宮:近年弊社には、広告業界未経験の中途社員や新卒社員が数多く入社しています。採用が好調な反面、未経験社員の教育に難しさを感じる部分もあり、特に業界用語の理解が社員によってまちまちで、共通言語で会話できないことが大きな課題となっていました。
弊社では課題への対応策として、研修時に今後の役割に合わせ、一定期間の基本の研修内容とは別に、各広告プラットフォームが提供している学習プログラムの受講や認定試験の受験を社員に推奨しています。
中でもYahoo!広告 キャンパスは、Yahoo!広告に関する知識だけでなく、インターネット広告の運用に関わる人材にとって必要な基礎知識を体系的に学ぶことができます。
そのため、検索広告やディスプレイ広告の運用に携わる社員には必須、近しい領域の業務に携わる場合には推奨という形で活用を推進しています。
Yahoo!広告 キャンパスでの学習、認定試験合格のコツとは?
MZ:Yahoo!広告 キャンパスは、どのようなステップで利用するのでしょうか。
座間:Yahoo!広告 キャンパスでは、Yahoo!広告に関する基礎的な知識を保有していることを認定する「Yahoo!広告ベーシック」、Yahoo!広告 検索広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告それぞれに特化した「Yahoo!広告 検索広告 アドバンスト」「Yahoo!広告 ディスプレイ広告 アドバンスト」の3つの認定資格を用意しています。
まずは、どの認定資格を受験するか決めていただき、各コースに対応した学習コンテンツをご利用ください。資料はスライド形式でマルチデバイスに対応し、各コンテンツのボリュームも短くしているので、ご自身のペースで学習していただけます。
三野宮:電通デジタルでは、研修期間に通常業務を行いつつ時間のない中でYahoo!広告 キャンパスに取り組んでもらいましたが、学びたい部分を学びたい時に気軽に学べるので取り組みやすかったと評判が良かったです。
櫻井:1コンテンツあたりのボリュームがちょうどよいのも利用しやすい点でした。私が所属する部署はYahoo!広告を専門に取り扱うチームなので、短い時間でピンポイントに欲しい情報が得られて助かっています。
MZ:認定試験にいち早く合格したい……という方も多いと思うのですが、合格のコツはあるのでしょうか?
座間:遠回りに見えるかもしれませんが、体系的な知識を身に付けることがYahoo!広告 キャンパスのコンセプトなので、学習コンテンツを一通り読んで理解いただくことが試験合格の一番の近道です。
認定試験では、毎回出題する問題や出題順、選択肢をシャッフルしております。そのため、試験問題を暗記して合格するのはかなり難しいと思います。一方で難易度は、学習コンテンツに記載されている基本知識が理解できていれば合格できる水準に設定されていますので、まずは学習コンテンツを網羅的に勉強した上で試験に臨んでいただければと思います。
共通言語での会話&運用ノウハウの言語化に貢献
MZ:電通デジタルでは、社員教育に活用してどのような成果が得られましたか。
三野宮:Yahoo!広告 キャンパスで学習した社員にヒアリングしたところ、「Yahoo!広告に関する知識はもちろん、インターネット広告に関する基礎知識が身に付き、経験者の社員と共通言語で会話できるようになった」という声が上がっており、当初の目的である「共通言語での会話を可能にする」には貢献してくれています。
Yahoo!広告 キャンパスの認定試験の受講後には、どこが間違っているのかも確認でき、わからなかったところだけを復習できるので、効率良く学ぶことができたと感じています。
実際にYahoo!広告の運用に携わっている新入社員も、早い段階で現場に順応できています。
櫻井:私もYahoo!広告の専門部署にいる人間として実際に受講しましたが、一番の成果は普段の仕事で身に付いたノウハウが言語化できたことです。仕事をしていると感覚で運用してしまっていることもあると思います。
Yahoo!広告 キャンパスでは、感覚で行っていた運用方法を学習コンテンツによって言語化できるので、お客様との会話だけでなく、営業職以外の、お客様と接しない広告運用や企画職といった社内メンバーとの間でも誤解のないコミュニケーションができています。
MZ:受講のメリットについて、Yahoo!広告の運用面以外でも何かあれば教えてください。
三野宮:他のプラットフォームでも学習コンテンツや認定試験を提供していますが、それに比べるとコンテンツがわかりやすいです。Yahoo!広告 キャンパスを最初に受講・受験し、そこで得た基礎知識を活かして他のプラットフォーマーの学習コンテンツや認定試験を受けると、知識やノウハウの定着につながりやすいと感じています。
これからの広告運用者に求められてくるスキルとは?
MZ:電通デジタルでは、今回のYahoo!広告 キャンパス以外に広告運用者の教育のために行っていることはありますか。
三野宮:電通デジタルでは、基本的なOA(Office Automation)スキルや広告運用に必要な入稿手順などを学習できるコンテンツを自社で開発しています。研修時にはそれを用いてスキル向上に努めてもらっています。
また、Yahoo!広告 キャンパスなど各プラットフォーマーが提供している学習プログラムの受講や認定試験の受験を推進しています。
櫻井:また、電通デジタル独自の制度に、部署横断で成果を上げた案件やプロジェクトを表彰するというものがあります。
広告運用者の多くは、管理画面に向き合う時間が多くなってしまいがちですが、重要なのはお客様のビジネスの成長をご支援することです。部署横断の取り組みを表彰する制度を設けることで、電通デジタルの各部署が持つ強みの掛け算が増え、広告運用者もよりお客様のビジネスに貢献できる経験を積むことができるのです。
MZ:ヤフーの座間さんにうかがいます。現在、デジタル広告はAIによる自動化が進み、運用者の工数は日々削減されています。今後、広告運用者にはどういったスキルが求められるようになっていくのでしょうか?
座間:AIによる自動化は、これからも加速していく可能性が高いです。その上で広告運用者に求められてくるのは、複数の媒体を横断して広告の相乗効果を生み出すことにあると考えています。
どの媒体にどんな役割を持たせ、どれだけの費用で広告を出稿するのか? 広告運用者が統合プランニングを行い、各媒体の運用最適化はAIやテクノロジーに任せていけると理想的だと思います。
そのためにも、各広告の土台となる知識の定着は必要だと考えています。
あらゆるサービスに対応した学習コンテンツ・認定試験を提供
MZ:最後に今後の展望について教えてください。
座間:現在Yahoo!広告 キャンパスでは、3つのコースを用意しています。しかし、Yahoo!広告にはこの他にも押さえてかなければならないルールや機能がございますので、それら対応したコンテンツや認定試験の拡充に取り組みたいです。
また、学習コンテンツのUIはまだ改善の余地があると思っています。2023年3月には、UIのアップデートを予定しております。
MZ:ありがとうございます。最後に電通デジタルのお2人から、ヤフーに期待すること、今後の展望をお話しください。
櫻井:ヤフーの強みは、約100のサービスを通して蓄積される膨大なビッグデータから、生活者の行動を分析できる点にあると思っています。今後はヤフーのビッグデータを活かした広告プランニングや広告運用について、Yahoo!広告 キャンパスで学習できるようになると嬉しいです。
三野宮: Yahoo!広告 キャンパスは、社員の教育に貢献してくれています。今後もYahoo!広告 キャンパスでの学習を社員に促しながら、お客様のビジネス成長パートナーとして活躍できる社員を育てていきたいです。