ツールの便利機能でライブ中にECサイトへの導線を確保
MZ:3月9日のグミニケーションライブ本番は、どのように進めたのでしょうか。
恩地:ゲストに名誉会員の前田さんと小林さんを迎えて、メインコマーサーを武者さんに務めていただきました。武者さんがお二人のグミマニアっぷりを引き出してくださったことと、コアなグミファンが楽しめるコーナー演出を行ったことで、ただグミの魅力を紹介するだけでなく、グミファンの皆様に満足していただけるライブをお届けできたと思います。
恩地:また、ライブ配信からECサイトへシームレスに誘導する目的で、事前施策と同様にLive Commerce forceを活用しました。通常、Instagram Liveにおけるライブコマース配信では、購入導線の確保が課題となります。Instagramでは配信中の画面にURLを表示できない仕様となっているため、プロフィールリンクからECサイトに遷移する導線となるのですが、その際に離脱が発生しやすくなります。
今回はLive Commerce forceを使い、ライブ配信中に「グミニケーションライブ」というコメントを投稿したユーザーに対してECサイトのURLを貼ったDMを自動で送るよう設定しました。これによって配信中の離脱を防ぎ、配信後にDMからECサイトを来訪する購買動線が確保できました。
MZ:本番中の盛り上がりはいかがでしたか。
武者:1時間半の延べ視聴者数は2,200人で、同時視聴者数の最大値は368人でした。日本ライブコマース協会としては、メジャーブランドの場合も有名なインフルエンサーを起用した場合も「同時視聴者数1,000人の壁」があると理解していましたが、日本グミ協会としては良くも悪くも「頑張ってこれくらい」ということがよくわかりました。
武者:ただ、配信中のコメントは5,000件以上も寄せられました。通常、ライブコマースでは同時視聴者数と同数程度のコメント数であれば御の字なのですが、今回は368人の同時視聴者数に対してコメント数が5,000件を超えたのです。
恩地:コメント数が多かった要因は、コミュニティの熱を高める工夫と、グミファンが思わずコメントしたくなる配信内容にあると考えています。
ライブコマースにはコミュニティ育成としての価値も
MZ:グミニケーションライブによって日本グミ協会が得られた成果を教えてください。
武者:グッズの購入者数は191人でした。最大視聴者数(368人)を基にコンバージョンレートを算出すると51.9%です。ライブコマースではコンバージョンレート10%を目標に設定するケースが多いため、この数値はかなり高いと言えます。複数買いする方も多く、購入数は584点でした。
恩地:ライブコマースを実施する際、つい売上に指標を置いてしまいがちですが、ROIが安定して100%を超えるのはエンゲージメントが一定規模になってからだと考えます。もちろん100%を超えることが理想ではあるものの、コミュニティを育てる「フェーズ1」としてライブコマースを実施してみるのも一つの手ではないでしょうか。
MZ:最後に、今後の展望についてお聞かせください。
武者:日本グミ協会としてはグミニケーションライブを恒例コンテンツ化し、今後も定期的に実施したいと考えています。
武者:実施のたびにコミュニケーションを生むきっかけとなり得るグッズをつくったり、過去に人気だったグッズを再販したりしながら、ライブコマースで限定感やライブ感を醸成する。これによって参加した人にしか体験できない価値を提供し、コミュニティへの帰属意識を高めていく──このようなサイクルを引き続き回していきたいです。
恩地:グミニケーションライブを通じて、ライブコマースに関する様々な検証を行うことができました。アイレップでは今回得られた結果や知見を基に、今後もクライアントのライブコマースのプランニングや実施を支援していきたいと考えています。