CCCマーケティング総研は、2023年3月の「産業動向レポート」および「産業天気予報」を発表した。
同総研は、CCCマーケティングの有するデータやアセットを基に、生活者の意識調査などを行う機関だ。今回のレポートは、CCCマーケティングが提供する家計簿アプリ「レシーカ」のレシートデータと、同総研の研究員による企業への調査結果を組み合わせて作成。スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、ホームセンター、外食、百貨店、ショッピングセンターの小売7業界における生活者動向と見通しを独自にまとめた。
同総研によると、スーパーマーケットの水産品の価格は燃料費や養殖飼料の高騰の影響を受けて上昇。その結果、消費者の購買意欲は鈍化傾向にある一方、デパートの鮮魚コーナーや「角上魚類(※)」など、一部では好調な売上を示しているという。
※新潟・埼玉を中心に展開している鮮魚専門チェーン店
売上が好調な鮮魚売り場の特徴として、同総研は「売り場内に設けられている惣菜コーナー」を指摘。これらの惣菜コーナーでは鮮魚を店内で加工していることが多い。鮮度を保ったまま最適な調理法で提供される総菜は、コストパフォーマンスの高さから集客・売上に貢献しているようだ。
直近のスーパーマーケットの動きを見ても、惣菜の売上比率が高いスーパーマーケットのほうが業績が安定しているという。中食・惣菜市場においては、コンビニやデパ地下などが競争力を持っているため、スーパーマーケットは棲み分けの観点から競争を回避してきたとされる。しかし、鮮度を武器にした惣菜展開はコンビニが競争しにくい分野。「惣菜の販売強化は今後のスーパーマーケットの生命線」と同総研は分析している。
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