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「デジモン」古参ファンの熱量を今につなぐ!東映アニメーション流のコミュニティ運営

 2024年に25周年を迎える「デジタルモンスター(通称:デジモン)」のアニメシリーズ。これまでにいくつものアニメシリーズが展開され、各シリーズに熱狂的なファンが存在します。同シリーズを制作する東映アニメーションでは、シリーズ全体の活性化に課題を抱えていました。解決策の一つとして機能したのがコミュニティです。デジモン好きが集まる「デジモンパートナーズ」を通じて過去作品のファンの熱量がそのほかのシリーズに伝播し、ECの売上を押し上げているのです。今回は運営に携わる3名に話をうかがいました。

立ち上げの目的はシリーズ全体の活性化

水野:まずは「デジタルモンスター(以下、デジモン)」について紹介をお願いします。

浮田:デジモンアニメシリーズは、1999年に放映をスタートしたテレビアニメ「デジモンアドベンチャー」をきっかけに、多くのファンを獲得しました。その後、映画やゲーム、関連グッズの販売などを通じて長く愛され、今では東映アニメーションの代表的なIPに位置付けられています。

東映アニメーション 営業企画本部営業推進部 営業推進部長 浮田康平氏
東映アニメーション 営業企画本部営業推進部 営業推進部長 浮田康平氏

浮田:テレビアニメ放映開始から20年以上が経過し、各シリーズには一定数のファンが存在しています。しかし、最も情熱的なファン層はやはり初代のテレビアニメシリーズに親しんだ方々です。過去のものとなっていた初代シリーズのファンの熱量をほかのシリーズのファンへ伝播させることで、シリーズ全体の活性化を図るためにコミュニティを立ち上げました。

デジモンパートナーズのサイトトップ
「デジモンパートナーズ」のサイトトップ

下村:デジモンパートナーズ」は2021年4月の開設から順調に会員を獲得し、現在の会員数は25,000人(2023年5月時点)です。新作映画の告知などで活用していた公式SNSに元々多くのフォロワーを抱えていましたが、コミュニティ立ち上げのニュースは熱量の高いコアファンから多くの関心を集めました。

ECサイトを併設しシームレスな購買体験を創出

水野:会員の属性をおしえてください。

下村:男性の割合はやや高めですが、女性のファンも多く獲得しています。年代は20代後半から30代前半が中心です。この世代は初代アニメシリーズの放映時に小学生~中学生だった世代。社会人になった今、当時親しんだキャラクターへの思いをよみがえらせ、コミュニティに参加してくれているのかもしれません。

東映アニメーション 営業企画本部企画部 IP戦略室 プロデューサー 下村英里氏
東映アニメーション 営業企画本部企画部 IP戦略室 プロデューサー 下村英里氏

外山:デジモンパートナーズの大きな特徴は、コミュニティ内に「DPショップ」と呼ばれるECサイトを併設している点です。公式グッズのほか、会員の意見を取り入れて開発したオリジナル商品の販売も行っています。コミュニティ内で運営しているECサイトということもあり、コミュニティを通じて育まれたキャラクターや関連商品への愛着が購買意欲へダイレクトに影響している印象です。

DPショップのサイトトップ
DPショップのサイトトップ

水野:商品を置くだけではなかなか売上につながりませんが、コミュニティ内でストーリーを構築して購買まで完結させる手法は参考になりますね。

外山:運営側から提供するキャラクター秘話やグッズ開発の裏話などを通じて、商品への関心がより高まっていると感じています。実際、ECサイトの売上は順調です。

東映アニメーション 営業企画本部 営業推進部 ビジネスプランナー 外山達也氏
東映アニメーション 営業企画本部 営業推進部 ビジネスプランナー 外山達也氏

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この記事の著者

水野 慎也(ミズノ シンヤ)

株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト
デジタルマーケティングを中心に、IT製品・サービス市場の調査分析を通し国内企業のITや企画部門向けにコンサルティング活動を行う。 自身も前職のカゴメでは、ファンコミュニティサイト“&KAGOME”の担当者として運営をリードした実績を持つ。
【関連リンク】アイ・ティ・アール

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/07/12 07:00 https://markezine.jp/article/detail/42686

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