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Withコロナ時代、一歩先行く企業コミュニティの共創最前線

配達担当者と組合員のおしゃべりをデジタルでも再現 購買への導線をあえて置かない「コープ・デリシェ」


 企業のマーケティング活動において、顧客の声に耳を傾ける取り組みは重要です。しかし、商品の販売という単一の接点だけで、十分な量の声を集めることは不可能でしょう。今回は、日本を代表する会員組織である生協の組合員を対象としたコミュニティ「コープ・デリシェ」に注目。組合員のくらしに寄り添い理解を深めるコープデリ生活協同組合連合会の担当者に、運営の秘訣をうかがいました。

5万人超の会員がシェアしてつながる場

水野:まずはコープデリについて紹介をお願いします。

宇都宮:コープデリグループは、関東信越1都7県にある6つの生協と、コープデリ連合会(本部:埼玉県さいたま市)で構成されています。宅配事業・店舗事業を中心に、福祉や保障、サービスなど幅広い事業を展開しています。

コープデリ生活協同組合連合会 宅配CXデザイン部 CXデザイングループ グループ長 宇都宮絵美氏
コープデリ生活協同組合連合会 宅配CXデザイン部 CXデザイングループ グループ長 宇都宮絵美氏
※肩書は取材当時のもの

宇都宮:取り扱う商品は、全国のコープで展開するPB(プライベートブランド)商品のほか、一般のスーパーマーケットで流通するNB(ナショナルブランド)商品もあります。また、コープデリ独自の商品もあり、ミールキットや電子レンジのみで調理可能な商品、サラダなどの惣菜商品を戦略商品として展開しています。

水野:コープブランドの商品は、我が家でも頻繁に利用していますが、多くの家庭に浸透していると思います。「コープ・デリシェ」は、コープデリと組合員をつなぐコミュニティということですね。

宇都宮:コープ・デリシェは「コープデリの商品をもっと便利に、楽しく利用したい」という声が集まるコミュニティサイトです。2014年に立ち上げ、現在は会員数が5万人を超えています。「シェアして繋がる」をコンセプトに、コープデリの商品を使用した感想を会員同士がシェアし、盛り上がる場となっています。

コープ・デリシェのサイトトップ
コープ・デリシェのサイトトップ

アクティブユーザーは約2割

水野:コミュニティを立ち上げるに至った経緯を教えてください。

宇都宮:コープデリの商品を実際に使用してもらい、その声を拾う取り組みは以前から積極的に進めていました。この取り組みをWeb上で実現するために、コミュニティを開設した経緯です。

水野:コミュニティ内では、投稿に「いいね」をするだけのライトな参加も許容しつつ、コメントを投稿したり会員同士で交流したりするアクティブユーザーが約20%を占めると聞きました。これはかなり高い割合ですね。

宇都宮:はい。元々コープデリには、組合員が配達担当者や他の組合員とのリアルなおしゃべりを通じて、生活への共感や理解を深められるという魅力がありました。コープ・デリシェはそのオンライン版として存在し、会員同士が様々な生活テーマや商品の話題で盛り上がっています。

 たとえば、無料で提供した商品を会員に試していただき、感想を投稿してもらう「サンプルラボ」は、コープ・デリシェの人気コンテンツです。体験者の声は他の会員が商品情報を知るきっかけにもなっています。得られた会員の声は、商品を企画する商品部へフィードバックされ、その評価も上々です。

サンプルラボ。商品を試した会員が体験コメントを投稿している
サンプルラボ。商品を試した会員が体験コメントを投稿している

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この記事の著者

水野 慎也(ミズノ シンヤ)

株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト デジタルマーケティングを中心に、IT製品・サービス市場の調査分析を通し国内企業のITや企画部門向けにコンサルティング活動を行う。 自身も前職のカゴメでは、ファンコミュニティサイト“&KAGOME”の担当者として運営をリードした実績を持つ。 【関連リンク】アイ・ティ・アール

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/17 20:40 https://markezine.jp/article/detail/45062

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