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米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

リセール市場の成長を牽引 RaaSがつくる循環型経済

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたベストインクラスプロデューサーズ発行の『BICP MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今月は、大きな成長が予測されるリセール市場にフォーカス。テクノロジーによりリセール市場の様々な問題解決をRaaS(Resale-as-a-Service)を紹介する。

※本記事は、2023年7月刊行の『MarkeZine』(雑誌)91号に掲載したものです。

BtoBの視点で、中古市場の課題を一挙解決

 ラグジュアリーブランドを含むアパレル、シューズ、アウトドア用品のリセール市場が、外出自粛の影響も後押しし、一気に成長軌道に向かっている。特に、Z世代の新品への執着は低く、新規参入事業者も増えて、マーケットとしても確立してきた。グローバルの市場規模は現在の約23兆円(1,770億ドル)から、2027年には約2倍の約46兆円(3,510億ドル)になるとも予測(※)される成長カテゴリーだ。

 リセール事業を2つに区分しよう。BtoC向けで顧客を引き付けるために自社店舗を利用するビジネスモデルと、BtoB事業としてブランド企業のリセールサイトの運営と在庫販売を支援するモデル=「RaaS(Resale-as-a-Service)」の2つだ。ここでは後者のRaaS型を例にしつつ、あえて「Circular Economy(循環型経済)」やサステナブル、ESG経営など地球環境の話題を横に置いて、拡大するリセール市場が見せる「循環型」の流通フローをBtoBの視点で考える。

 各事業者で多少の違いはあれど、RaaSでくくられる事業主(例:ReflauntTroveVestiaire Collective)は、GUCCIやBalenciagaなどのブランド企業へBtoBサービスを提供する役目を担う。RaaSとは、ブランド企業の「流通」の上に、「再販」のプロセス(テクノロジー)を組み込むことで、新たな循環ジャーニーを提供する事業である。

 旧来のリセール市場における課題は、リユース品を扱う二次マーケット・プレイスと、一次市場(ブランド)との間に大きな垣根が存在していることだった。ブランド企業側は、地球に優しいと言われようとも、リユース市場は「ブランド価値の毀損」や「自社ブランドの価値を食い物にしている」と敵対視していた。

 さらに、真贋見極め(ニセモノ排除)の買い取り作業も、属人的な作業として高いハードルだった。ところが、仮にGUCCIなどのブランドのファンが、各公式サイトから購入したマイリストをブランドの保証付きで再販できるならば。購入した顧客がまたアカウントに戻ってくるどころか、LTVが高まり、低価格から入る新規顧客(ファン)も増え、新たなエコシステムを築くことができる。この循環構造を一次市場のブランド側に気づかせたのがRaaSであり、RaaSというテクノロジー概念が「コロンブスの卵」として問題解決を提供した形だ。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表 英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/01 09:31 https://markezine.jp/article/detail/42798

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