二つのアパレルブランドを一緒にリブランディング
MarkeZine編集部(以下、MZ):お二人の自己紹介をお願いします。
高花(TSIホールディングス):私は「JILL STUART」と「JILL by JILL STUART」の事業部長を務める高花です。リブランディングプロジェクト「With JILL STUART(W/J)」の責任者でもあります。
高花(TSIホールディングス):JILL STUARTは1997年に日本に上陸したニューヨークのアパレルブランドで、これまで25年以上にわたって日本の女性に支持されてきました。2008年にはセカンドブランドとしてJILL by JILL STUARTがデビューし、こちらも今年で15周年を迎えます。
JILL STUARTは主なターゲット層が30代の女性であるのに対し、JILL by JILL STUARTはより若い20代女性をメイン層に据えています。私は後者の統括責任者を務めた後、現在は両ブランドを統括する立場です。
野田(アクセンチュア):アクセンチュア ソングにて、ブランド戦略と体験デザインを担うチームをリードしている野田です。
野田(アクセンチュア):今回、JILL STUARTとJILL by JILL STUARTのリブランディングにおいて、ブランド戦略や事業・マーケティング戦略、ビジュアルアイデンティティの刷新、各種コミュニケーション施策の展開、業務や組織の変革など、あらゆる方面でご支援しました。
MZ:リブランディングにはいつごろから取り組み始めましたか?
高花(TSIホールディングス):リブランディングプロジェクトは2022年2月にキックオフし、同年9月からは組織も本格的に刷新。12月に対外的に発表しました。
実はまったく異なる文化を備えていた両ブランド
MZ:今回、リブランディングを実施することになった経緯を教えてください。
高花(TSIホールディングス):JILL STUARTはこの25年間で広く認知を獲得し、多くの女性から支持をいただいております。昨今の女性を見ていると、コロナ禍やウクライナ危機といった世界情勢により、自己肯定感を持ちづらい方が増えたような気がします。
そこで、我々としては「自分らしくいたいと願う女性に寄り添うブランドになりたい」との想いが強まりました。この願いや想いをクローズアップしてリブランディングすることで、今を生きる女性の方々により共感いただけると考えたのです。次の25年に向けて襟を正す意味も込めて、リブランディングを実施しました。
MZ:JILL STUARTだけでなくJILL by JILL STUARTも合わせてリブランディングした理由を教えてください。
高花(TSIホールディングス):JILL by JILL STUARTが立ち上がった2008年当時は、運営会社がJILL STUARTと同じだったのですが、2012年に分社化し、チャネルから売り場、ターゲットまですべてがすみ分けられるようになったのです。その結果、コンセプトやスタッフのマインド、販売に対する姿勢もJILL STUARTとまったく異なるブランドになっていました。
しかし、内部がどうなっていようがお客様から見たらすべて「JILL STUARTブランド」です。「そこは連携すべきであり、同じ方向性を持つべきだ」との考えから、両ブランド合わせてのリブランディングとなりました。