誰もが発信できるようになり、写真の消費も加速
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はキヤノンマーケティングジャパン様(以下、キヤノンMJ)に、ニコニコのマーケティングソリューションを活用していく方法を伺っています。まず、自己紹介をお願いできますか。
和田:私はキヤノンMJカスタマーリレーション企画部にて、お客様とのコミュニケーション戦略を担当しています。EOS学園という写真教室や、キヤノンフォトサークルという会員組織などを管轄しています。
矢嶋:和田のもとで、製品の市場投入に伴うお客様訴求の方法をマーケティング施策として検討・実行しております。その他に、仮想現実(VR)などの新技術の普及や認知拡大活動を担当しております。
古谷:私はドワンゴの企画営業部で、ニコニコのソリューションを活用したプロモーション提案を企業様に向けて実施しております。
MZ:生活者のデジタル行動の変化についての所感をお聞かせください。
和田:スマホやタブレットが普及し、印刷物のみで写真をみていた時代よりも写真の消費が早くなりました。誰もがSNSで自由に発信できるようになった分、日々目にする写真の量は大きく増え、一枚一枚を眺める時間も短くなっていると感じます。また、私たちは写真をプリントして見る文化を残していきたいと思っていますが、どうしてもデジタルデータ・モニターで見る時代になっていることも感じます。
クールジャパン構想をきっかけに、コスプレ業界へ
MZ:このような状況の中、キヤノンMJ様はどのような戦略を立てているのでしょうか。
和田:大きく2つの方向でマーケティングを行っています。1つ目は、既存のお客様、当社で言うと写真やカメラが好きな方々と、より関係性を強くしていくコンテンツを出していくことです。そのために、従来は「商品軸」のコンテンツ作りがメインになっていたものを、「顧客軸」でのコンテンツ作りが必要だと考え、Webとリアルの両面でお客様接点を強化しています。
もう1つは、新規領域の拡大です。今回のドワンゴ様との取り組みをはじめ、新たなお客様を取り込む取り組みをしていこうとしています。
MZ:ニコニコのマーケティングソリューションを検討したきっかけをお話しください。
矢嶋:元々コスプレ業界に何らかの形で関わりたい思いは持っていました。というのも、コスプレ業界の方々は写真を撮りたいカメラマンと、被写体側のコスプレイヤー、両方とも熱量が非常に高いと理解していたからです。
直接的なきっかけは、東京オリンピック2020のゴールドパートナーとなったことでした。当時はクールジャパンを海外に発信する動きが強化されており、サブカルもクールジャパン構想の中に含まれていたことがきっかけです。そこで2017年からドワンゴさんの主催している池袋ハロウィンコスプレフェス(以下、池ハロ)に協賛しました。
コスプレ文化について社内に正しく知見を貯める意味で、池ハロはドワンゴさんが管理運営しているイベントである安心感は非常に大きかったです。
キヤノンMJが協賛したドワンゴ主催イベント
ニコニコ超会議
毎年4月末に幕張メッセで開催している日本最大級のサブカルチャーの祭典。2023年はリアル会場に約12万人が来場、ネットの総視聴者数は1,300万人を超える。
池袋ハロウィンコスプレフェス
豊島区、サンシャインシティとの共催で行っている池袋東口エリアを舞台に、毎年2万人以上のコスプレイヤーが参加する国内最大級のコスプレイベント。