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ドワンゴが展開する、カルチャードリブンなマーケティングソリューション(AD)

サブカルを軸にクリエイター×Hondaが共創!Hondaがドワンゴと仕掛けた新しいプロモーションの形

 顧客の年齢層が高まる企業・商材において、若年層への接点・コミュニケーションを強化・洗練させることは差別化戦略としても非常に重要だ。しかし、いかにして若年層に刺さる企画にしていくのかは悩みどころでもある。本記事では、本田技研工業株式会社(以下、Honda)と株式会社ドワンゴが行ったクリエイティブ制作に加え、モータースポーツを若年層へとプロモーション展開していった裏側をキーマン2名に聞いた。

若年層へのアプローチを目的に、ドワンゴと意見交換

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はHondaさんが行った、若年層向けのプロモーション事例について伺います。当時、どのような業務やミッションを担っていらっしゃったのか、お話しください。

稲野:私はHondaのモータースポーツ部にて、F1のプロモーションなどを担当していました。モータースポーツに挑戦するHondaを世界中のファンに届けるだけでなく、モータースポーツをまだ見たことのない人にも魅力を届けられないかを考え、そのプロモーション効果の最大化を図る部署にいました。

 2021年シーズン、Hondaは「チャレンジの最高峰」であるF1という場所で、技術者達が勝利にこだわり研さんを積み、世界で競いながら成長していくという大変チャレンジングな取り組みをしていたと感じています。現在は、モータースポーツだけではなく、特にHondaが持つ発信施設や体験を軸にコーポレートとしてのプロモーションを担当しています。

本田技研工業株式会社 コーポレート戦略本部<br />コーポレートコミュニケーション統括部コーポレートプロモーション部<br />UX企画課 チーフ 稲野貴文氏
本田技研工業株式会社 コーポレート戦略本部
コーポレートコミュニケーション統括部コーポレートプロモーション部
UX企画課 チーフ 稲野貴文氏

大滝:私はドワンゴの企画営業部で、ニコニコ動画やニコニコ生放送を活用したプロモーションを軸に動いております。今回の「走れ、誰も追いつけない速度で」プロジェクトのような、クリエイティブ制作やクリエイターを起用したコンテンツ制作なども、企画立案から実行までワンストップで手掛けております。

MZ:同プロジェクト立ち上げのきっかけをお話しください。

稲野:前提として、当時日本人最年少のF1ドライバーであった角田裕毅選手の初シーズンに向けて、我々は彼の背中を押し、世界への挑戦を応援するという立場でした。Hondaは挑戦という言葉をとても大切にしており、企業として挑戦を続けることはもちろん「挑戦する人を応援したい」とも常々考えています。角田選手の挑戦を契機にして、角田選手と同年代の若い人たちが、夢を持つことの素敵さ、夢を持つことでわくわくドキドキする気持ちを知ってほしいと思っていました。

 もう1つ、一部調査によるとモータースポーツが好きな方のボリュームゾーンが45~54歳とあり、社内では常にモータースポーツ領域における若年層へのリーチについて課題を抱えていました。当時はコロナ禍ということもあり、自粛生活中の若年層の過ごし方を調査したところ、多くの時間を動画視聴、特に音楽やアニメに時間を使っていることが見て取れました。そこで、過去に「初音ミク」を起用したiPhone向けアプリを共同開発した縁もあり、若年層領域のコンテンツに強いドワンゴさんと意見交換をさせていただきました。

「今、ボカロ?」の疑念を覆した、若者の“現場”の声

MZ:Hondaさんの課題や要望に対し、ドワンゴさんはどのような提案を行ったのでしょうか。

大滝:ご提案としては、まずボカロのクリエイターを活用して、オリジナル楽曲を制作します。加えて、角田選手をはじめとする若い世代で挑戦している人たちにインタビューを行い、楽曲とともにその挑戦の模様やメッセージを伝えていくという内容でした。

 私自身、F1が大好きでよく見ているのですが、肌感覚として同年代含めて私より若い世代では見ている人は少ないなという感覚があったので、それを何らかのパワーで惹きつけることがしたいと考えました。そういった思いを持ちつつ、Hondaさんの大切にしている「音」にこだわった企画で熱烈ラブコールしました。

MZ:Hondaさんは、提案をどのように思いましたか。

稲野:率直に「今、ボカロなのか?」と思いましたね(笑)

 僕自身、若い時にニコニコ動画やボーカロイドの文化にハマってきた人間だったのですが、ボカロは隆盛を終えた文化なのではないかと。大滝さんから、「最近のソシャゲでもボカロの曲が使われていて、好事例がたくさんあります」と話を聞いても、当初は信じられませんでした。

 ただ、僕は「現場・現物・現実」を意味するHondaの三現主義という考え方に基づいて施策を進めたいと思い、まさに今、夢を追いかける若い方たちがいる声優学校に入学してみることにしました。そして、本気で声優になるという夢を追いかけている18歳~21歳くらいの若い人たちに、授業後に色々聞いてみました。すると、意外と「このボカロPが好き」という会話が出てくるのです。

 他にも休日にカラオケに行って「20代人気楽曲ランキング」を確認してみると、なんと上位10曲中7曲くらいがボカロ関連の曲。カラオケのランキングはネット上の人気ランキングとは違い「歌えるほどに聞き込んだ曲」になるので、これは自分の認識を改めなければと感じ、企画に可能性があると思いました。

MZ:今回はコンペ形式を取られていたとのことですが、何が決め手となりましたか。

稲野:他社さんのご提案も、若年層向けのインタラクティブな内容ではありました。しかしどうしても、僕ら上の世代が考えた“若年層にはこれが刺さるだろう”という印象がぬぐえませんでした。

 今回はとにかく届けたい人達にメッセージを届ける事が第一。Hondaの名前を出すことにこだわっていなかったこともあり、ボカロPやクリエイターさんなどと共創して、若者をまきこんだ形にすることに惹かれました。そこで企業からの押し付けにならない形を提案していただいたドワンゴさんに決めました。

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話題のスパイクを生み続けるプロモーション戦略

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ドワンゴ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/01 10:30 https://markezine.jp/article/detail/44001

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