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ドワンゴが展開する、カルチャードリブンなマーケティングソリューション(AD)

サブカルを軸にクリエイター×Hondaが共創!Hondaがドワンゴと仕掛けた新しいプロモーションの形

話題のスパイクを生み続けるプロモーション戦略

MZ:具体的にどのように形にし、展開していったのでしょうか。

大滝:今回の基軸は、ファンに喜んでいただく中でムーブメントを作ることにあったので、若い世代のフォロワーが多く、受け入れられているクリエイターさんたちを軸に考えました。先に作曲家を選び、その後に歌い手とイラストレーター、映像クリエイターを並行して選定。できた楽曲と歌をミックスするサウンドエンジニアをアサインしていきました。

 その後、F1ドライバーの角田選手をはじめ、声優、eスポーツプレーヤー、VTuberなどの方にインタビューをして、夢への挑戦と、今頑張っている人に対するメッセージ動画を作りました。

株式会社ドワンゴ 企画営業部 大滝惇平氏
株式会社ドワンゴ 企画営業部 大滝惇平氏

大滝:プロモーションはどうしても、最初に1つスパイクがあって終わってしまうものが多いです。しかし今回は角田選手がレースに出ている間はずっとプロモーションを続けたいと思っていました。

 そこでまず「応援楽曲を発表します」とティザーを作成・公開し、その後に応援楽曲を配信。広くプロジェクト内容を知ってもらった上で、楽曲に乗せ、インフルエンサーの方の夢を語るインタビューが2週間ごとにアップされるように、スパイクを生み続ける仕組みを意識しました。

「走れ、誰も追いつけない速度で」プロジェクト
「走れ、誰も追いつけない速度で」プロジェクトのTOPページ。
息の長いコンテンツにするためHondaのコーポレートサイトへの掲載を直接打診しに行ったという。「今までにないTOPページのデザインにしたことも含め、前代未聞の取り組みでした」と稲野氏は振り返る。

MZ:クリエイティブが制作されるにあたり、気を付けたことはありますか。

稲野:今の若い人たちの胸を打ち、心を掬ってくれるようなキャスティングをしたいと思っていて、大滝さんにはかなり色々なオーダーをしましたよね。フォロワー数のような数字も大事ですが、時節柄、暗い話題が多い時期でしたので、明るく楽しく夢を語ってくださる方々にお声かけをさせていただきました。クリエイティブもスクラップ・アンド・ビルドを繰り返し、最終的にLP、SNSのカスタマージャーニー設計やコピーなどは自身達で書くほどに膝を詰めて話しました。

 工夫した点は、インフルエンサーのインタビュー動画の最後に、次回予告を入れること。そうすると、「次回はあの人だ」とバトンを渡す人と、渡される人の間にどういった意味があるのかと、若い方々が考察してくださることで、期待感とともに話題にし続けていただけました。

 また、SNS上だけだと新しく作ったクリエイティブと企画の趣旨が少しずつ乖離していってしまうのではないかと考えました。そこで社内を説得して、特別にHondaのホームページへ、今回のプロジェクトページを入れてもらいました。これにより、いつでも企画の趣旨や全体像を確認できるとともに、過去の動画や楽曲も楽しめるようにしました。

カルチャードリブンで、若い世代にF1ムーブメントを起こせた

MZ:同取り組みの手ごたえを教えてください

稲野:ボカロ楽曲やeSports、Vtuberの方など、製品とは少し離れて見える文脈のインフルエンサーの方々の起用により、通常X(当時Twitter)で投稿すると500いいね程度だったところが、平均で5~6,000いいねがついていましたし、2021年の年間インプレッションの中でもトップクラスのプロジェクトの投稿となりました。クリエイターさん側でも発信をしていただいていたので、数字で見える以上の方々から反響をいただいたと考えています。

 コメントを見ていても、「角田選手初めて知ったけれど、応援したくなりました」「Hondaが若者向けに頑張っている」と、ポジティブな反応を数多くいただけました。

MZ:実施をふまえての社内外の声はいかがでしたか。

稲野:社内番組で取り上げてもらったほか、グループ会社や他部署から「アニメやVTuberを使ったコンテンツを作りたいのでアドバイスが欲しい」と相談をいただくケースが増えました。

 振り返るとデータや数値ドリブンというよりは、徹底的にカルチャードリブンでドワンゴさんと一緒に考え抜いたプロジェクトだったと思います。メッセージを届けたい人の声を実際に聞いて、リアルタイムでクリエイティブを作り替えていく。比較的長期のプロモーションにもかかわらず、飽きられずに話題にあがるなど一定の反応を得られ続けたところは大きかったです。

 また、このシーズンのF1でRed Bull Racing Honda(レッドブル・レーシング・ホンダ)がHondaとしては30年ぶりとなる優勝を果たしました。その反響を見る中でも、若い世代にもF1が届けられた実感がわきましたね。

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受け手が、次の受け手になる。UGCの強いカルチャー

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ドワンゴ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/01 10:30 https://markezine.jp/article/detail/44001

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