優れた資料はビジネスを前進させる
優れた資料には、ビジネスをスムーズに進める力があります。はじめに、以前私がクライアントからご指摘を受けて資料を作り直した例をご紹介します。
クライアント企業の役員に向けた上申資料の準備中、クライアントから「ブランドエクイティ分析について説明するスライドがわかりにくい」とフィードバックを受けたことがありました。
ブランドエクイティとは、そのブランドが持つ資産価値のことです。たしかに言葉そのものは概念的な割に、分析のロジックはやや複雑で、初めて説明を受ける方に理解してもらうのはハードルが高い内容です。
こういった複雑な内容を説明する時こそ、資料作りに工夫が必要です。BeforeとAfterを見比べると、同じ内容でも、わかりやすさが大きく違うと感じられると思います。
この時、資料修正にあたり、意識したのは以下4点です。
1.「ブランドエクイティとは何かを理解してもらう」というスライドの目的を再整理
2.「ブランドエクイティ」の説明を簡単な言葉に修正
3.矢印を使い、順序を明確にすることでロジックをわかりやすく
4.「通常分析」と「ブランドエクイティ(BE)分析」を比較し、違いを明確に
修正後の資料を用いて、改めてブランドエクイティ分析とは何かをプレゼンした結果、クライアントから「ブランドエクイティ分析についてよくわかった。役員への上申の際にも、この資料を使わせてもらった」とお喜びの声をいただきました。この経験から、私はコンサルティングにおける資料の重要性を再認識しました。
読者の皆さんは、“クライアントの心を掴んで”何を達成したいですか?
信頼してもらいたい、商品やサービスを買ってもらいたい、他社ではなく自社を選んでもらいたい……様々あると思いますが、目的が何であったとしても、おさえるべきは以下の3つのコツです。それぞれ解説していきましょう。
1.心地よさ
2.おどろき
3.寄り添い