マーケティング支援サービス「Custella」の4つのサービス
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは荒木さんのこれまでのご経歴と、現職で担当されている業務についてお聞かせください。
荒木:2006年に総合小売業へ就職し、バイヤーやディベロッパーのほか、オムニチャネルやEC事業の立ち上げ、トリプルメディアの運営、CRMなどのマーケティング業務に従事しました。2021年4月、三井住友カードのデータ戦略部門に転職し「Custella(カステラ)」事業の推進およびマーケティング活動を担っています。
MZ:三井住友カードでは、キャッシュレスデータを活用した4種類のマーケティング支援サービスをCustellaとして提供されているとうかがっています。まずは各サービスの概要を簡単に教えていただけますか?
荒木:Custellaは三井住友カードが保有する膨大なキャッシュレスデータを活用し、現状分析から施策の実行まで一気通貫して行うマーケティング支援サービスです。一般的なマーケティング活動では、分析の対象が自社の顧客に限定されていますが、Custellaでは今まで見えなかった顧客の購買行動や市場動向を可視化することで、クライアントの課題解決をサポートします。
荒木:Custellaは4つのサービスで構成されています。「Custella Trend」は世の中の消費トレンドを業種別、性・年代別、エリア別などで可視化したレポートを登録メールアドレスに毎月配信する無料サービスです。「Custella Insight」では、加盟店向けに顧客属性やインバウンド顧客の購買動向、業界平均との比較など、様々な切り口で分析を行い、ダッシュボードで可視化します。
「Custella Analytics」では各クライアントが抱えているマーケティング課題やニーズを直接ヒアリングさせていただき、当社のビジネスプランナーやデータアナリストがオリジナルの分析設計から調査分析、打ち手のご提案までを実行。「Custella Promotion」ではクライアントの告知商材に合わせて、決済情報や属性情報からニーズのあるカード会員様をターゲティングし、DMプロモーションを実施します。
キャッシュレスデータを通じて消費の活性化を目指す
MZ:カード会社にとってマーケティング支援サービスの提供は新しい試みだと思います。Custellaを立ち上げた背景や狙いについて教えていただけますか?
荒木:立ち上げの背景には「消費を通じて日本を豊かにしたい」という社としての想いがありました。我々カード会社が扱っているのは「衣食住などのモノ消費」「サービス・体験などのコト消費」を網羅した全ての消費に関わるキャッシュレスデータです。これらのデータをクライアントに活用いただくことで、消費の活性化をお手伝いしたいと考えCustellaプロジェクトを始動しました。
2020年にコロナ禍の影響をまとめた「コロナレポート」を3回発表したのですが「消費の変化をここまで詳しく記載したものはない」という嬉しいお声とともにお引き合いもいただきました。消費の活性化に多少なりとも貢献できている実感を得て、レポートを定型化したサービスが今のCustella Trendです。