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第99号(2024年3月号)
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【特集】お客様の「ご愛顧」を得るには?

花王は顧客と直接つながり、ブランド価値を伝えていく ――「My Kao」の取り組み

 商品購入後も顧客とつながり続けられる場として、花王は2022 年に双方向プラットフォーム「My Kao」をスター トした。My Kao の立ち上げおよび運営に携わる鈴木氏と堀氏に、ローンチから1 年経った現段階の手応えや今後の課題、そして花王が目指す顧客との関係をうかがった。

※本記事は、2024年2月刊行の『MarkeZine』(雑誌)98号に掲載したものです

ブランドの提供価値を顧客に直接伝える意味

──「My Kao」について概要や狙いをお聞かせください。

鈴木:My Kaoは2022年12月に開始した、「知る」「体験する」「買う」「創る」の4つの機能からなる双方向のデジタルプラットフォームです。「My Kao ID」というOne-IDでお客様とつながり、お客様を深く理解することで、様々なUX(顧客体験)の提供を目指しています。

 花王はこれまで、BtoBtoCのビジネスモデルを中心としてきましたが、現在、製造業から「UX創造企業」への変革を目指しています。その中でMy Kaoではデジタルの力を使いながら生活者と直接つながることを実践しています。

1986年入社。店頭MD/カテゴリーマネージメント、流通研究や情報システム開発を経て、2001年社内ベンチャーに参画し新規事業を創設開拓。現在はDX 戦略部門にて主にロイヤルティマーケティングの推進に取り組み、オウンドメディアコンテンツの企画制作やUXアプリケーションの開発、ブランドを横断したモール型自社ECの運営、CRMシステムの構築展開、コンタクトセンターマネージメントなどを担当。
花王株式会社
DX 戦略部門 インタラクティブプラットフォーム統括センター ダイレクトコミュニケーション部 部長
鈴木 直樹(すずき・なおき) 氏

1986年入社。店頭MD/カテゴリーマネージメント、流通研究や情報システム開発を経て、2001年社内ベンチャーに参画し新規事業を創設開拓。現在はDX 戦略部門にて主にロイヤルティマーケティングの推進に取り組み、オウンドメディアコンテンツの企画制作やUXアプリケーションの開発、ブランドを横断したモール型自社ECの運営、CRMシステムの構築展開、コンタクトセンターマネージメントなどを担当。

──生活者と直接つながりたい理由は何でしょうか?

鈴木:まず顧客理解を深められます。環境が目まぐるしく変化する中、お客様と直接つながることで、生活者のニーズやインサイトをしっかりとスピーディーに捉えることが可能です。そして直接コミュニケーションをとることで、ファン作りを具体的かつ主体的にできるようになります。

 ここで言うファンとは、花王のブランドやパーパスを理解した上で「この商品でなければならない」と選び続けてくださる方々のことです。より多くの方にファンになっていただくためには、商品の機能的な特徴だけではなく、その商品だからこそ提供できる価値を自分たちで伝えていく必要があると考えます。

──My Kaoでは日々のスキンケアや掃除のコツなど、毎日の暮しに役立つ情報が発信されています。サイト内にはビューティーに関するコミュニティサイト「KaoBeauty Brands Play Park」がありますが、これはどのような役割を担っているのでしょうか?

鈴木:最終的には、化粧品や家庭用品、ライフケアなど花王が展開する各事業のコンテンツをMyKao内で展開し、そこをお客様が自由に横断してご利用いただけるようにしたいと考えています。化粧品事業は花王の大きな柱の1つです。そのためMy Kaoローンチ時に、まずは化粧品に関するコンテンツを充実させることでプラットフォームの活性化を目指しました。2023年には、毎日の暮しに役立つ情報や花王のサステナビリティ活動に関するコンテンツの展開も始めています。

──事業を横断した取り組みですが、My Kaoの運営体制はどうなっているのでしょうか?

鈴木:「KATE(ケイト)」や「キュレル」など各事業のブランドチームはもちろん、テクニカルな部分やデータを扱うチームなど社内の様々なチームが関わっています。堀さんはその中でも、化粧品事業全体を見てくれています。各チームを横断しながら調整し、MyKaoをドライブさせる役割を担っているのが、私の所属するインタラクティブプラットフォーム統括センターです。

継続的なコミュニケーションが再購入につながる

──My Kaoの先鋒的な取り組みであるKao Beauty Brands Play ParkとMy Kao Mallを1年間続けた成果は出ていますか?

堀:Kao Beauty Brands PlayParkは、お客様と商品購入後もいかにつながり続けられるか、つまりLTVを重視する必要があるのではないかという仮説のもと運営されています。結果としてKaoBeauty Brands Play Park を経てMy Kao Mall を訪れた方々の購入率は、そうでない方々の2倍ほど高い数値が出ています。商品購入後の継続的なコミュニケーションが再購入につながることを示す結果でもあり、私たちの自信にもつながっています。

2008年カネボウ化粧品に新卒入社。販売会社にて営業担当を経験。2017年本社に異動、デジタルを中心としたメディアバイイング、プラニングに従事。その後、2021年「DX 戦略部門」の組織発足と同時に異動。花王のCRM基盤、自社ECモールを立ち上げ、現在は運用を担当。
花王株式会社
化粧品事業部門 化粧品経営企画センター 化粧品事業推進部
堀 哲之介(ほり・てつのすけ) 氏

2008年カネボウ化粧品に新卒入社。販売会社にて営業担当を経験。2017年本社に異動、デジタルを中心としたメディアバイイング、プラニングに従事。その後、2021 年「DX 戦略部門」の組織発足と同時に異動。花王のCRM基盤、自社ECモールを立ち上げ、現在は運用を担当。

──化粧品はブランドや成分、コスパ、流行など多様な選択基準がありますが、どのように各顧客の心に刺さる情報を届けているのですか?

堀:1st Party データを活用しています。たとえば一口に「毛穴が気になっている」と言っても、その状況は様々です。また、おっしゃるとおり化粧品に求めるものや判断基準が異なります。データをもとに細かくペルソナを作り、お客様の解像度を上げながらコミュニケーションのとり方を工夫しています。

──継続して同じブランドの商品を購入してもらうことも難しくなっています。再購入につながるコミュニケーションとして意識していることは何でしょうか?

堀:私たちが大切にしているのは、誰に何を届けるかを明確にすることです。なぜブランドがお客様、そして社会にとって大切なのか。その存在意義を伝え、私たちだからこそ届けられるコンテンツ作りを意識しています。

 お客様は既に各種SNSや口コミサイトを通して、数多くの情報を入手できる状況です。その中で、Kao Beauty Brands PlayParkがどのように存在するのかを改めて考えたとき、作り手だからこそ発信できる情報の存在に着目できました。たとえば、口コミのランキングには挙がっていないけれど社内ではファンが多い隠れた名アイテムを紹介したり、商品の使い方など購入後に困ったことがあったときに頼れる情報を発信したりしています。

 また、スマホ1つで、簡単に肌の状態を測定できる肌測定サービス「肌レコ」も、花王が長年蓄積してきた皮膚科学やメイクアップの研究知見をもとに開発された技術を採用しています。

──肌レコを実際に試してみましたが、単純な肌測定だけでなくマイルの提供や目標設定などができるのですね。

堀:肌レコは一人ひとりのなりたい“きれい” に寄り添い、“続けたくなる肌測定” を目指しています。肌測定のサービスは既に数多くありますが、利用した方々からは「肌測定をした後が続かない」といった声も聞こえていました。そこで肌レコが注目したのが、お客様が続けたくなる仕組みです。たとえば、4週間の肌測定結果をレコーディングしグラフ化することで、ご自身の肌の状態が可視化されるほか、花王が保有する同年代の平均データと肌状態を比較することも可能です。さらに継続的なレコーディングにより貯まった「肌レコマイル」を使って、KaoBeauty Brands商品やサンプルのプレゼント、限定イベントへの招待など様々なキャンペーンに応募することができます。このように、日々のお手入れの頑張りが肌測定の部分でも可視化され、モチベーションを高められるような仕組みになっています。

 また、開発前の事前調査では、肌測定後に商品の紹介がされると、過度なレコメンドにつながってしまうという意見もあったので、一方的な情報提供ではなく、会話ができる仕組みにしています。具体的には美容のプロによる1対1の「オンラインカウンセリング」を受けられるようになっており、お客様の肌測定データやお使いの化粧品を把握したカウンセラーから自分に合ったアドバイスを受けることが可能です。自分に必要な正しい情報を知って、楽しく続けていただける点に私たちの提供価値があると考えています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/14 13:01 https://markezine.jp/article/detail/44836

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