※本記事は、2024年2月刊行の『MarkeZine』(雑誌)98号に掲載したものです
【特集】お客様の「ご愛顧」を得るには?
─ CRMを成功に導くポイント 企業と顧客を繋ぐ「顧客シンクタンク」としての可能性
─ 花王は顧客と直接つながり、ブランド価値を伝えていく ――「My Kao」の取り組み
─ 国内清涼飲料No.1の「サントリー天然水」が証明する、一貫したブランディングの強さ
─ 購入以外のアクションにも価値を見出す 会員プログラムのリニューアルに込められた狙い
─ 良い意味で期待を裏切る、横浜DeNAベイスターズのファン増加戦略
─ 三菱地所が目指すA partner in lifeとは? 家を買って終わりではない継続的な関係(本記事)
三菱地所が目指す顧客との関係
──まずは杉本さんのミッションをうかがえますか。
私が所属する住宅業務企画部では、三菱地所グループのお客様向けの「レジデンスクラブ」という会員組織の運営を担当しています。具体的な業務内容は、Webサイトの運営や会報誌、メルマガの企画・制作など、各種施策の運用です。
──三菱地所グループは、住まいについて賃貸や売買といった資産面での相談や、リフォームやレジデンスクラブといった住まいの情報提供など幅広いサポートを提供されています。御社では顧客とどのような関係構築を目指していらっしゃるのでしょうか?
当社は「A partner in life」というビジョンを掲げています。これは、お客様の一生にわたり寄り添うパートナーでありたいという考え方です。2年ほど前から社内で掲げていましたが、2023年12月にレジデンスクラブのWebサイトをリニューアルした際に掲載し、対外的にも伝え始めています。
言葉のとおり、当社は住宅を売って終わりではなく、住まいに関わるあらゆる段階でお客様との接点を保ち、たとえばリフォームや家具の交換などの際にも三菱地所グループを選んでいただけるよう努めています。また、マンションの売却などの際にも、当社グループでの仲介をご提案しています。一度接点を持った後は、当社グループが提供する住宅関連サービスをご指名いただけるよう、お客様に寄り添い長期的な関係を築くことを目標に掲げています。
企業としての目線で考えても、売ったら終わりで関係が消えてしまうと、長期的に収益を得ることが難しくなります。当社のリピーターになってもらうためには、お客様に寄り添い、何かあったときに相談してもらえる関係を築くことが重要です。そのように考えて生まれた言葉が「A partner in life」でした。