顧客の住まいにまつわるニーズをワンストップで支える
──顧客との関係作りにおいて「A partner in life」を実現するために、大切にしていることは何でしょうか?
お客様に「レジデンスクラブに相談したら何とかなる」と思ってもらう状態を作ることです。三菱地所グループの住宅事業には三菱地所レジデンスをはじめ、三菱地所ホームなど様々な企業が存在します。物件を購入した時点ではそのうちの1社としか対面しないことも多いです。入り口は1社ですが、入居後に住まいに関する問題が発生した際にレジデンスクラブの窓口に相談すれば、適した担当領域の企業から解決策が提供されたりWebサイトで情報を確認できたりします。また、住み替えや売却についての相談も承ることができます。このようにワンストップで対応可能な体制を整えるために、会員組織を運営しているのです。
──住み替えや売却のタイミングで競合他社ではなく御社を選んでもらうためにも、顧客との関係作りが大事になりますね。
そうですね。レジデンスクラブのWebサイトでも、売買サポートを充実させるために、たとえば、ご所有物件の市場価格がいつでも把握できるような仕組み作りを開発中です。住み替えを考えたらまずはレジデンスクラブのWebサイトを覗いてもらうことが理想です。そのためにも、「何かあったらレジデンスクラブ」が定着するような関係を作っていきたいですね。
──複数の企業が顧客の暮らしを一気通貫して支えるためには、顧客データの扱いにも工夫が必要になりそうです。データ統合や連携のための工夫はありますか?
初回の接客時にグループ各社が得たお客様の情報は、各社のデータベースに保存されますが、その後、レジデンスクラブのデータベースに統合されます。入居後は管理会社が情報を持つことが多いのですが、正確な情報や更新の時期などに齟齬がないよう、システム上で更新を行っています。
課題は情報の更新性ですね。会員情報の中には、何十年も前のデータのまま更新されていないものも存在します。そういった方たちが、再度レジデンスクラブを訪れ、情報を更新していただくよう施策を行っています。たとえば、チラシや会報誌などのリアルにお客様の手元に届くもので、Webサイトを案内しています。Machi Passの会員数が増えているので、少しずつ施策の効果が表れていると考えています。
家探しから、契約、暮らしまで支援するWebサイト構築へ
──今後、御社が顧客接点をますます強化していくために、どのような取り組みをされる予定ですか?
今後は住まいに関するお客様のジャーニーすべてをカバーしていきます。家探しから契約、その後の暮らしまでWebサイトで支援できるように、数年かけて開発予定です。現在は入居後のフローに集中していますが、手前の段階からフォローできるようにしていきたいですね。また、ForYou機能で表示するコンテンツの拡充も目下の課題なので、優先的に取り組んでいきます。
長期的な視点で言えば、Machi Passを活用してホテルや商業施設などの様々な組織と連携することで、顧客のニーズを満たす、複合的なサービスを提供できるようにしたいと考えています。
