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MarkeZine Day 2024 Spring

ジュースを飲みたい大人がいるし、抹茶は粉でなくてもいい。常識を打ち破りヒットを生み出すイノベーション

 世界22か国へ「誰でも簡単においしい抹茶が飲める飲用体験」を届けている、World Matcha株式会社。代表取締役を担っているのは、前職のサントリー時代に「Gokuri」や「伊右衛門 特茶」などの商品をヒットさせた塚田 英次郎氏だ。塚田氏はこうしたヒット商品の裏には、イノベーションがあったという。そして、イノベーションには一定のステップやポイントがあると話す。MarkeZine Day2024 Springの講演では、同氏のノウハウが語られた。本記事ではその様子をレポートにまとめていく。

イノベーションを起こす3つのステップ

 「イノベーションが起こるときにはいくつかの法則があります。これまで私は自然とそれを実践しており、今まさに言葉にしてまとめているところです。その内容を、今回はお話ししていければと考えています。」

 そう語るのは、World Matcha代表取締役の塚田 英次郎氏だ。同氏は前職のサントリー時代に新商品開発を担当し、様々な商品をヒットに導いてきた。その後、米国にてWorld Matcha Inc.を創業。フレッシュ抹茶を家庭で楽しむ「Cuzen Matcha」を開発し、日米両国で展開している。

World Matcha代表取締役 塚田 英次郎氏
World Matcha代表取締役 塚田 英次郎氏

 イノベーションはどうすれば起こすことができるのか? イノベーションと売上は必ずしもリンクするものではないと前置きした上で、塚田氏はイノベーションには3つのステップがあると語る。

イノベーションを起こす3つのステップ
  1. 「バイアス」を発見する
  2. バイアスを壊す「アイデア」を思いつく
  3. そのアイデアを「実 行」する

 最初のステップは“バイアスを発見する”だ。

 バイアスとは、思い込みや認知の歪みのこと。ビジネスの場合のバイアスとは大抵の場合、自社の都合や業界の常識が起因している。例として塚田氏はサントリー時代に関わった、果汁飲料と特定保健用食品(以下、トクホ)の緑茶を挙げた。

 「それまで果汁飲料といえば、子ども向けの飲み物だと思われていました。当然、パッケージデザインも子ども向けのポップなものばかりです。また緑茶についても、トクホならではのバイアスがありました。当時のトクホ飲料はサイズが小さく味も濃いものがほとんどで、薬に近いものでした。まさに“良薬口に苦し”のイメージですね」(塚田氏)

バイアスを見つける一番の方法はユーザーの観察

 では塚田氏は、どのようにして各市場に隠れるバイアスを見つけたのか? 塚田氏は3つのポイントを挙げた。

バイアスを発見する方法
  1. ユーザーの行動を観察する
  2. 自社や業界の常識を疑う
  3. 素直な自分の意見を持つ(周りに流されない)

 やはり、ユーザーの行動の中にバイアスを見つけるヒントが隠されている。加えて常識を疑うことも大切だ。長く1つの業界にいると、どうしても知識や慣習に囚われてしまう。常に常識を疑うことが重要だ。そして、自分の直感や意見を持つことも忘れてはならない。

 たとえば、トクホの緑茶では「飲み会の次の日にトクホのお茶を購入するときはもう1本普通のお茶を買ってしまう」というユーザーの行動から、トクホ茶が普通のお茶ではなく、薬やサプリに近いものとして認知されているというバイアスを発見したという。

次のページ
バイアスを壊すアイデアを考え、実行する

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 07:00 https://markezine.jp/article/detail/45124

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