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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

『アサヒ 十六茶』の認知経路の約8割はテレビCM!発売30周年を迎えたブランドの今後のマーケ戦略とは


 ブレンド茶のパイオニアとして、2023年3月に発売から30周年を迎えた『アサヒ 十六茶(以下、十六茶)』。アサヒ飲料がこのほど、十六茶を知る人に認知したきっかけを調査したところ、約8割は「テレビCM」と答えたという。本稿では、アサヒ飲料の担当者に、認知獲得において未だに根強い効果を発揮するテレビCMの活用法とWebとの棲み分けなどについて聞いた。

十六茶の前に「ブレンド茶」の想起率が課題

――まず、杉本さんの自己紹介からお願いします。

 私は2008年にアサヒ飲料に入社し、営業、そしてインドネシア駐在を経験後、2019年にマーケティング本部に異動してきました。具体的な業務としては、『アサヒ 十六茶(以下、十六茶)』と、2023年4月発売の緑茶『アサヒ 颯(そう)』のブランド戦略や予算策定、進捗管理などがあります。

アサヒ飲料 マーケティング本部 マーケティング二部 お茶・水グループ プロデューサー 杉本真崇氏
※所属は取材当時

――十六茶のマーケティング戦略における、テレビCMの役割を教えてください。

 ブランド好意度や認知度を高める手段として、テレビCMは今なお大きな影響力を持つメディアだと評価しています。

 そもそも十六茶においては、まずカテゴリー自体の認知を上げる必要がありました。というのも、十六茶は多くの原材料を組み合わせた「ブレンド茶」の一種ですが、このカテゴリーは他のお茶類と比べると認知が十分ではなかったのです。

 当社が2020年に実施したアンケート調査で、「お茶といえば何か」と尋ねたところ、「緑茶」や「麦茶」「ウーロン茶」には多くの票が集まった一方、「ブレンド茶」と回答した人は僅か数パーセントでした。つまり、より多くのお客様に十六茶を手に取ってもらうためには、まずは麦茶や緑茶と並んでブレンド茶が想起される必要があったわけです。

 また、ブレンド茶のさっぱりとした飲み心地は魅力であるにも関わらず、多くの若者にとって、十六茶の味イメージは湧きづらいものになっていることも調査結果からわかっていました。こうした「広く認知を獲得する」もしくは「味イメージを払しょくする」という点において、テレビCMは大きな効果を発揮します。

 そこで、2023年度のマーケティング戦略では「ブレンド茶の味イメージの払しょく」を目標に、ブレンド茶の魅力をテレビCMを軸に訴求し、その存在感を高めていくことにしました

新CMに初代CMキャラクターの小林聡美を起用

――十六茶では現在、発売30周年キャンペーンを実施しているとうかがいました。その詳細を教えてください。

 2023年で十六茶のテレビCM出演15年目を迎える新垣結衣さんをフィーチャーした新しいテレビCM「おばあちゃん編」と「帰り道編」を3月からオンエアしました。さらに特別企画として、十六茶の初代CMキャラクターで、1993年に初めて出演された小林聡美さんにも再度出演いただきました。

十六茶 CM 「帰り道」編

 このCMは視聴者から「懐かしい」という声を数多くいただいています。特に小林さんが祖母役を演じたことに対し、かつてドラマで彼女の活躍を見ていた視聴者から「時代の流れを感じる」といった反応がSNS上で多数見られました。

 また、十六茶では30年前に「日本全国十六茶」という、小林さんが全国各地を訪れ、地元の料理を作る方々との交流を描いたテレビCMを放映していました。そのCMを現代版にリバイバルした各エリアオリジナルのWeb動画も制作しました。

リバイバルしたWeb動画『十六茶 「新 日本全国十六茶 東京篇」』

 さらに、十六茶を購入し、キャンペーンに参加すると抽選で新垣さんのデジタルブロマイド(NFT)がプレゼントされるキャンペーンも展開中です(2023年9月29日まで)。NFTを活用した施策は業界でもまだ珍しく、NFT利用者や新しいトレンドに敏感なユーザー、そして新垣さんのファン層に大変好評で、SNS上で多くの話題を呼んでいます

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この記事の著者

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/22 19:57 https://markezine.jp/article/detail/43350

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