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“嫌われないメルマガ”を作るには?購読者分析からメール制作、運用までポイントを解説【お薦めの書籍】

 多くの企業がメールマーケティングに取り組む一方、顧客との深い関係構築や成果につなげるメール施策をどうやって行うべきか、悩む担当者も少なくありません。購読者を不快な思いにさせずにアクションを促すメールの制作・運用を実現するにはどうすべきなのでしょうか。本記事では、「嫌われないメールマーケティング」をテーマに、メール施策のポイントを解説した書籍を紹介します。

今、メルマガが再注目される理由

 今回紹介する書籍は『メールマーケティング 嫌われないメルマガのすべて』(エムディエヌコーポレーション)。コンテンツマーケティング事業を展開するクマベイスの田中森士氏と、メディア編集・記者を経てBtoBマーケティングに従事する三友直樹氏による、共著となります。

『メールマーケティング 嫌われないメルマガのすべて』田中森士・三友直樹(著)エムディエヌコーポレーション 1,980円(税込)
『メールマーケティング 嫌われないメルマガのすべて』田中森士・三友直樹(著)エムディエヌコーポレーション 1,980円(税込)

 膨大な情報に囲まれ、起床から就寝までコンテンツに追われる日々を過ごす現代人。そんな中、企業やブランドのコミュニケーションチャネルとして「メール」への注目が今、再び高まっているといいます。

 その理由として著者は、「届きやすさ」「ノイズの少なさ」「プラットフォーム依存リスクの低さ」「1to1コミュニケーションの実現しやすさ」などメールの強みを挙げました。メールは、適切に工夫すれば広告のようなストレスを与えにくく、顧客の受信箱にきちんと届けることができます。配信の仕組みはSNSなどプラットフォームのアルゴリズム変動のような影響を受けにくく、また閉じた空間でのコミュニケーションが可能です。

 情報発信や顧客との関係構築のため、メールマーケティングを実践している企業は少なくありません。一方、「購読者にいとも簡単に嫌われてしまうメルマガは少なくない」と著者は指摘。不快感を与えず購読者のニーズに応えるメールを配信し、その先の成果につなげるにはどうすればよいのでしょうか。

購読者の望みや課題ベースで訴求を

 著者は、メールマーケティングに取り組む上で「購読者たちのニーズに対する高い解像度が必須」と説明。メール購読者はフォームに入力した属性データやWeb上の行動データなど自身の情報を提供し、それをもとに企業側はニーズに沿った適切なコンテンツを届け、一層購読者に関心を持ってもらうサイクルを回すことが重要だとしました。

 では、購読者のニーズをどうやって把握・分析すればよいのでしょうか。著者は以下のように述べ、適切なメールマーケティングを行うには対象の困りごとを理解する必要があるとし、そのために購買行動のパターンを把握することがポイントだと示しました。

 人を分類するのではなく、人が持つ望みや抱えている問題を分類するという考え方が重要になる。分類の軸が望みや問題ベースになっていないと、適切な訴求方法を考えることにつながらないからだ。

 顧客は購買にあたり念入りに検討するのか、娯楽として楽しく検討するのか。あるいは急ぎで検討しているのか、そもそも検討せざるを得ない状況か、といった検討行動が購買に影響します。加えて金銭面・心理面など、顧客が感じる様々なリスクも購買行動に関わってきます。もちろん、同じプロダクトであっても異なる検討行動やニーズをもつセグメント層が存在します。

 そのため「この属性の検討行動やニーズは何か」「このニーズの層はどんな属性データや行動データを組み合わせて表現可能か」といった発想を持ち、「このパターンの検討行動の層にはこのアプローチをする」という形まで落とし込むことが重要だといいます。

アクションを促すメールのフレームワークを紹介!

 本書では実際のメール制作ノウハウとして、申し込みや購買などのアクションを促すフレームワークを複数紹介。そのうちの一つに「PAS(Problem-Agitate-Solve)フレームワーク」があります。

 同フレームワークでは、分析で把握できた購読者の困りごと(Problem)をメールで示し、そのリスクを強調(Agitate)します。そして解決策(Solve)を示し、ボタンやテキストリンクなどのCTA(行動を喚起する要素)に誘導する流れです。

 メール作成の際に効果的なCTAのポイントとして、著者は以下を挙げました。

・CTAの存在を真っ先に認識させる

・CTAの内容を理解しやすくする

・CTAのハードルを調整する

 冒頭など目に付く場所にCTAを設置し、メッセージが伝わりやすい形で示し、ハードルを感じさせないテキストなどで読み手の気持ちの引っ掛かりをなくす。これら3つのポイントを押さえ、購読者のアクションを促していきます。

 本書では、他にも顧客の検討行動パターン別の解説や、定性・定量データを紐づけた顧客分析、メール制作・運用フローのポイントなどを紹介。メールマーケティングに必要な要素を網羅した一冊となっています。自社でメルマガを運用しているが成果につながらず悩む方、より効果的なメール施策を実現したい方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/20 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44136

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