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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

ライフネット生命が目指す“テレビデバイス”としての効果最大化 CTVへの期待と地上波に残される価値


「認知や加入意向だけを見る分析は終わり」KPIは投資対効果が見える指標に

MZ:テレビCMは、他のデジタル媒体などと比べて、「出稿費用が高額」「投資対効果が見えにくい」などと言われることが少なくありませんが、ライフネット生命ではテレビCMのKPIにはどういった指標を設定していますか?

肥田:まず、KPIを決めるにあたって重視していることが2つあります。1つは、経営陣にとって投資対効果が見える指標を設定すること。すなわち、調査費用をかけずにデータアナリティクスで取れる「数字」です。もう1つはそれに加えて、担当者として、数字を把握し、いつでも報告できるようにしておくということです。

 予算が億単位なので、当然ながら、経営陣は投資対効果を気にするはずです。にもかかわらず、テレビCMとなると結果が曖昧になりやすく、報告せずに許されてしまう。それは不誠実だと考えます。

肥田氏

肥田:これらを前提とした上で、我が社の適切なKPIは何か。実店舗を持たないビジネスモデルなので、「認知」や「加入意向」だけを追うのではなく、「CMを視聴された方が、実際にサイト来訪をしたか?などの行動をおこしてくださったか」をKPIにしています。「Web検索」など一歩踏み込んだアクションを追っていると言えるでしょう。

 たとえば「テレビCM1本の放映費用が100万円でGRP量がこれくらいだったらサイト内のこの数字が、これ位動くだろう」という感覚値を持つことが大事です。そのうえでCM放映後の数分以内に、実際にどのくらいの方が来てくださったかをアナリティクスで把握するというイメージです。今より小さな予算で運用していた2017年ごろからずっと続けているやり方ですが、サイトもCMもWeb広告もすべてに共通した計測手法なので、リーズナブルである点もポイントですね。

「共通言語」を生み出す地上波の存在感を見逃さない

MZ:継続的にテレビCMを出稿してきた貴社から見て、2023年の今、統合マーケティングの視点からテレビの広告媒体としての価値に変化はありますでしょうか? 出稿のメリットという視点でお話しください。

肥田:子育て世代が当社の主なターゲット層であるという前提で、媒体としてのテレビの存在感は変わっていないと思います。子育て世代の方は、Eテレの『おかあさんといっしょ』をほぼ通りますよね。体操のお兄さんの交代が大きな話題にもなります。幼児や小学生のお子さんですと、『アンパンマン』から『ドラえもん』へ、次に『ポケモン』『ワンピース』というイメージです。

 このような一連のコンテンツは、今も子育て世代の「共通言語」になっていると思います。その意味で、広告媒体としてのテレビの価値は「オワコン」などと言われるほどは下がっていないのだと思います。マス広告ならではの確かな反響があり、効果検証ができる点でも出稿のメリットは大きいと考えます。とはいえ、接触時間が延びている媒体ではないので、活用についてはCTVとの適切なバランスを取る必要があると思っています。

MZ:本特集では「テレビ×マーケティング2023」をテーマとして置いています。ライフネット生命がテレビ×マーケティングで取り組みたいチャレンジをお聞かせください。

肥田:子育て世代にライフネット生命の保険を届けたいという軸はブレません。その上で、地上波とCTVの掛け算としての「テレビデバイス」において、子育て世代にどのようにアプローチしていけるかというチャレンジは、今後も続いていくと思いますし、極めていきたいですね。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 12:44 https://markezine.jp/article/detail/44217

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