6割以上が難しいと答えた「ChatGPTの業務活用におけるプロンプト入力」
シャノンでは、メールマガジンのコンテンツ作成において、ChatGPTを活用している。同社によると、業務で使えるような内容の出力には、プロンプトの書き方にコツがあるという。ChatGPTを使ったメールのタイトルと本文作成の方法について、同社マーケティング部部長の村尾慶尚氏が、同部の小湊紗智乃氏を聞き手に、ノウハウを紹介した。
ChatGPTの出力精度を上げる方法として「あなたはプロの◯◯です」と役割を入力する方法が一般的には良いとされている。だが、実際にはただ役割を与えるだけでは実用性のある出力が得られないことがほとんどだと村尾氏は語った。
実際に、同社がMarkeZine Day 2023 Autumn出演時に行ったChatGPTに関するアンケートでは、118人中74人が「プロンプトが難しく思った通りの回答を得られない」と答えたという。
このように、ChatGPTを業務内で活用したいと考えているものの、プロンプトの作成に課題を感じている人は少なくない。では、マーケティング実務で活用できるクオリティの出力をさせるために、どのようなプロンプトを作れば良いのだろうか。
メールタイトル作成に必要な「課題分析プロンプト」
まずは、ChatGPTを活用したセミナー、ウェビナーの集客メールのタイトル作成方法が紹介された。タイトルの作成を行う際にChatGPTにただ「メールのタイトルを出して」と入力するだけでは、実用的なタイトルの作成はできないと村尾氏。良いタイトル案を出すためには、タイトルの出力をする以前にターゲットの潜在的な課題分析を出力する必要があるという。
「マーケターがセミナーの集客メールのタイトルを作成する場合、タイトルから考えるのではなく、まずはセミナーのターゲットが抱える課題から考えると思います。これはChatGPTを使う場合も同様で、ターゲットの課題分析から行う必要があります。課題分析もそのためのプロンプトを入力することでChatGPTに手伝ってもらえます」(村尾氏)
では、課題分析プロンプトにどのような内容を入力すれば良いのだろうか。村尾氏によると、課題分析を行う上で、ChatGPTにまずセミナーの前提情報をインプットしてもらう必要があるという。そのためには、LPなどからタイトルや説明文をコピー&ペーストし、このセミナーのターゲット情報を入力。ターゲットがセミナーに参加する理由や参加せずに課題を放置することで起きる問題も合わせて考えてもらう。
このプロンプトを入力すると、次の画像のように、ターゲットが抱える課題、課題を放置することで生じる問題、セミナーにターゲットが参加する必要性を複数案出力ができる。このレベルまで出力ができるようになるとマーケティング業務で活用できる。
シャノンが活用するプロンプトテンプレートのダウンロードが可能
メールやブログ作成といった実務でChatGPTを使おうにも「どのようにプロンプトに落とし込めば良いのかわからない」といった悩みはないでしょうか? そこで、シャノンが実際に活用しているプロンプトテンプレートをまとめた資料をご用意しました。メール、セミナー、記事に対応する3種の企画用プロンプトと、その活用方法を紹介しています。詳しくは下記のページからご覧ください。