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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】人と組織を強くするマーケターのリスキリング

ビジネスの常識が根本から変わっていくAI時代、「自分の価値」をどう見出すか

 広告・マーケティング業界でも各社競い合うように、AIを起点にした取り組みを進めている。これから組織や業務にも大小様々な変化が生じてくるだろう。AI本格時代にマーケター、広くは文系のビジネスパーソンが身に付けるべき力について、AIスペシャリストの野口竜司氏に聞いた。

※本記事は、2024年3月刊行の『MarkeZine』(雑誌)99号に掲載したものです

「AIを使いこなす力」はあくまで表層的&時限的なもの

株式会社ELYZA 取締役 CMO
三井住友カード株式会社 Head of AI Innovation
株式会社カウネット 社外取締役 野口竜司氏

 東大松尾研発のELYZAで国産の大規模言語AI開発やAI戦略パートナーシップを推進。また、三井住友カードやコクヨグループをはじめとした大手事業会社でAI活用推進・AI人材育成をリード。日本ディープラーニング協会人材育成委員、金融データ活用推進協会顧問、グロースXAI戦略アドバイザーなども務める。テレビ番組、動画での最新AI解説や、講演・社内セミナーなども多数実施。著書に『ChatGPT時代の文系AI人材になる』などがある。

──本格的にAI時代に突入しました。マーケター、広くは文系のビジネスパーソンには、これからどのような変化が求められてくるでしょうか?

 既に欧米諸国、特にアメリカでは、生成AIを前提に経営戦略ならびに人事戦略が大きく変わり始めています。具体的には、一部の職種における新規採用のストップや、現存人材の再配置などですね。日本の組織文化の特性上、多少緩やかにはなるものの、この流れは確実に日本にもやって来るものとして認識したほうがよいでしょう。

 AIの力がますます巨大かつ強力になっていく中で、組織の在り方、人事の在り方、企業の中での人材価値の在り方は、大きく変化していきます。人は誰しも変化を嫌う生き物ですが、AIがビジネスの常識を変えていくことにしっかり向き合い、大きな変化の流れを理解した上で、自分はどこで価値を出していくべきかを考える力が求められてきます。

──AIを使いこなすスキルというより、まずはAIを起点に起きている変化の流れを掴む力が必要というわけですね。

 そうです。AIはものすごいスピードで進化していきますから、今の生成AIを使いこなせるようになったとしても、またすぐにアップデートされてしまいます。AIの活用スキルは、あくまで表層的なものとして認識したほうがよいでしょう。AIを使いこなすことに焦点を当てるのではなく、自分の現在地とバリューを再定義した上で、自分の価値を発揮するために手段としてAIとどう付き合っていくかを考えるべきです。表層的なスキルだけを習得すると、後から困ることになってしまいます。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45248

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