第3回:USP思考の限界はこちら!
フリークエンシー理論の破綻、その2つの背景とは?
第四回は「フリークエンシー理論の破綻」です。その昔はスリーヒット理論(※)などよく言われていましたが、「フリークエンシー理論が破綻している」とは唐突だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。一方で、「そもそもフリークエンシー理論には誰も頼っていない」という声も聞こえそうですが……。
※スリーヒット理論:広告は最低3回以上接触することが効果的という理論
このテーマを選んだ背景には、二つの事象があります。一つ目は、テレビがフリークエンシーバランスの著しく悪いメディアになっているということです。基本的に人口が多く視聴時間の長い高齢層にテレビCMは極めて多く当たり、人口が少なく視聴時間の短い若年層に極めて少なく当たります。
「平均」の誤謬
故にフリークエンシーの分布をグラフ化すると平均フリークエンシーのところで正規分布しません。広告代理店から「平均フリークエンシーは〇.○回です」というレポートがあっても、その回数で当たっている人はあまりいませんので、「平均」の誤謬を犯さないようにしなければなりません。また広告代理店から来るレポートの平均には0回は含まれていない点も要注意です。
回数ごとにグラフにすると、当然ロングテールになりますが、一定以上のフリークエンシー(例えば10回以上とか)を全部積み上げてみると、平均フリークエンシーで当たっている人数が底になっているようにさえ見えます。