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広告/マーケティングにおける7つの転換点~『2030年の広告ビジネス』番外編

フリークエンシー理論の破綻【広告/マーケティングにおける7つの転換点】

 昨年、『2030年の広告ビジネス』を上梓した横山隆治氏が筆を執り、新連載を開始。同書に書ききれなかった内容を、全7回にわたってお届けする。第四回は「フリークエンシー理論の破綻」について言及する。

第3回:USP思考の限界はこちら!

フリークエンシー理論の破綻、その2つの背景とは?

 第四回は「フリークエンシー理論の破綻」です。その昔はスリーヒット理論(※)などよく言われていましたが、「フリークエンシー理論が破綻している」とは唐突だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。一方で、「そもそもフリークエンシー理論には誰も頼っていない」という声も聞こえそうですが……。

※スリーヒット理論:広告は最低3回以上接触することが効果的という理論

 このテーマを選んだ背景には、二つの事象があります。一つ目は、テレビがフリークエンシーバランスの著しく悪いメディアになっているということです。基本的に人口が多く視聴時間の長い高齢層にテレビCMは極めて多く当たり、人口が少なく視聴時間の短い若年層に極めて少なく当たります。

「平均」の誤謬

 故にフリークエンシーの分布をグラフ化すると平均フリークエンシーのところで正規分布しません。広告代理店から「平均フリークエンシーは〇.○回です」というレポートがあっても、その回数で当たっている人はあまりいませんので、「平均」の誤謬を犯さないようにしなければなりません。また広告代理店から来るレポートの平均には0回は含まれていない点も要注意です。

 回数ごとにグラフにすると、当然ロングテールになりますが、一定以上のフリークエンシー(例えば10回以上とか)を全部積み上げてみると、平均フリークエンシーで当たっている人数が底になっているようにさえ見えます。

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門会社「デジタル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/04/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/45338

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