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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

逆境から変革を成し遂げた富士フイルムグループ、パーパスを原動力にしたさらなる進化に向けて

経営戦略の中心にパーパスがある

──パーパスは経営戦略にどう組み込まれていくでしょうか?

 経営戦略の中心にパーパスはあると思います。地球上の笑顔の回数を増やしていくためには、もちろん事業活動による収益は欠かせませんが、そこで得た利益を事業の持続的成長のために投資し、ESG課題に取り組む原資を得て、従業員の働く環境やエンゲージメント向上に活用する。この良循環を回すことで、パーパスがより良い形で実現していくはずです。

 今回のパーパス策定はまだ“始まり”に過ぎません。私たちの「地球上の笑顔の回数を増やしていく」というパーパスに終わりはないと考えます。

 富士フイルムグループは今年の4月に中期経営計画「VISION2030」を発表し、2030年に向けた達成数値目標やKPIを掲げましたが、この目標の中心であり、その先にあるものがパーパスだと考えています。

──先ほど「パーパスはパンドラの箱」とおっしゃいました。社内外にパーパスを広げていくために、どのような取り組みをされていきますか?

 私たちが最も大切だと思っているのは、富士フイルムグループの全ての従業員が、それぞれに「アスピレーション(志)」を持って、「自分ごと」としてこのパーパスを実現させていくことです。そのプロセスは、容易なものではないでしょう。いつの間にか経営層から下りてきた言葉、自分には関係ない言葉、単なるお飾りにならないように、ボトムアップを意識した魅力的な施策を既にいろいろ企画しています。

 たとえば、今回のグループパーパス策定を機に名刺のデザインを新しくしました。名刺の表にグループパーパスとそれぞれの笑顔の写真を載せています。すると、社外の方とあいさつをして名刺をお渡しするとき、みんな自分の笑顔の写真を配ることになるんですね。テーブルにも笑顔の写真が並ぶことになります。これは社内外両方に向けたパーパスブランディングです。

 他にも、世界中の従業員のメッセージを掲載した『Our Purpose』と題したタブロイド紙を従業員向けに各国で発行したり、グループパーパスのコンセプトムービーを配信したりと色々な試みを行っています。インナーブランディングの観点からも、パーパスの落とし込みは非常に重要だと既に実感しているところです。

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「富士フイルム」というブランドアセットの凄さ

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:48 https://markezine.jp/article/detail/45474

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